亀井金融大臣がモラトリアム法案(中小企業等金融円滑化法案)を言い出したときには、財務大
臣、官房長官、銀行界が反発していたが、実際に法案が出来上がると、スムーズに衆議院を通過し
た。
銀行の業務は、金を貸して、その利子で利益を得るものだ。そして、貸出期限で元本を返しても
らわなければならない。もちろん、貸出先が倒産すれば、元本が戻ってこない。
銀行はそれに対して、以下の対策をとる。
①担保を取る。
担保の価値が下がれば、貸しはがしの対象になる。
②CDSで保障してもらう。
アメリカのAIGが潰れそうになったのがCDS。CDSは企業が倒産したときに、保障するものだ。
潰れそうな会社は高く、潰れない会社は安い。日本の会社のCDSは下のサイトで見れる。
③危険度にあわせて、金利を高くする
④貸しはがしをする
危ない会社の返済を猶予したらどうなるだろうか。危ない会社はどんどん負債を膨らませていく
だろうが、返済を要求することができない。巨額の負債が積みあがり倒産する。そしてあまりに膨
らんだ負債によって、元本を完全には回収できなくなる。銀行にとっては、存続の危機だ。
ところが、今回の法案は政府保証をつけるというものだ。倒産すれば、政府から払ってもらえる
。最も安全な債権である国債と同じリスクで、国債よりはるかに高い金利の債権を売ることができ
るのだ。これほどノーリスク、ハイリターンなものはない。
企業の倒産というのは、たまに起こるものではなく、いつも起きているものだ。銀行は倒産によ
る損失を他からの利益で補ってきた。モラトリアム法案では、倒産による損失を税金で穴埋めして
もらえる。
銀行にとっては、濡れ手に粟。銀行は、危ない会社にモラトリアムを押し付けていくだろう。
モラトリアム法案が成立しても、中小企業が立ち直ることは無い。必要なことは、景気を回復させる
ことに尽きる。