黒木さんから
- 成「幸」学 人生の「正面教師」たち/黒木 安馬
- ¥1,365
- Amazon.co.jp
小松空港近くの石川県立 小松瀬領養護学校 教諭
山元加津子さんの話から・・・
きいちゃんという女の子は、手足が不自由でした。
そして、いつもうつむきがちの、
どちらかというと暗い感じのするお子さんでした。
そのきいちゃんが、ある日とてもうれしそうな顔で、
「山元先生」と言って職員室に飛び込んできてくれたのです。
「お姉さんが結婚するのよ、今度私、結婚式出るのよ。
ねえ、結婚式ってどんななの、私どんな洋服着ようかな」
と、とてもうれしそうでした。
「そう、良かったね」と、私もうれしくなりました。
ところが、それから一週間もしないころ、
今度はきいちゃんが教室で泣いている姿を見つけたのです。
「きいちゃんどうして泣いているの」と聞くと、
「お母さんが、結婚式に出ないでって言うの。
私のことが恥ずかしいのよ。
お姉ちゃんばっかり可愛いんだわ。
私なんか産まなきゃ良かったのに」
そう言って泣いているのです。
きいちゃんのお母さんは、
お姉さんのことばかり可愛がるような方ではありません。
どちらかというと、かえってきいちゃんのことをいつも可愛がっておられて、
目の中に入れても痛くないと思っておられるような方でした。
けれど、もしかしたら、きいちゃんが結婚式に出ることで、
例えば障害のある子が生まれるんじゃないかと思われたり、
お姉さんが肩身の狭い思いをするんじゃないかと
いうようなことをお母さんが考えられたのかなと、
私は思ったりしていました。
きいちゃんに何と言ってあげていいかわかりませんでしたが、
ただ、結婚式のプレゼントを一緒に作ろうかと言ったのです。
お金がなかったので、安い晒(さら)しの生地を買ってきて、
きいちゃんと一緒にそれを夕日の色に染めたのです。
それでお姉さんに浴衣を縫ってあげようと提案しました。
でもきいちゃんは手が不自由なので、
きっとうまく縫えないだろうなと思っていました。
けれど一針でも二針でもいいし、ミシンもあるし、
私もお手伝いしてもいいからと思っていました。
けれど、きいちゃんは頑張りました。
最初は手に血豆をいっぱい作って、
血をたくさん流しながら練習しました。
一所懸命にほとんど一人で仕上げたのです。
とても素敵な浴衣になったので、
お姉さんのところに急いで送りました。
するとお姉さんから電話がかかってきて、
きいちゃんだけでなく、私にも結婚式に出てくださいと言うのです。
お母さんの気持ちを考えてどうしようかと思いましたが、
お母さんに伺うと、
「それがあの子の気持ちですから出てやってください」
とおっしゃるので、出ることにしました。
お姉さんはとても綺麗で、幸せそうでした。
でも、きいちゃんの姿を見て、
何かひそひそお話をする方がおられるので、
私は、きいちゃんはどう思っているだろう、
来ないほうが良かったんだろうかと思っていました。
そんなときにお色直しから扉を開けて出てこられたお姉さんは、
驚いたことに、
きいちゃんが縫ったあの浴衣を着ていました。
一生に一度、あれも着たいこれも着たいと思う披露宴に、
きいちゃんの浴衣を着てくださったのです。
そして、お姉さんは旦那さんとなられる方とマイクの前に立たれ、
私ときいちゃんをそばに呼んで次のようなお話をされたのです。
「この浴衣は私の妹が縫ってくれました。
私の妹は小さいときに高い熱が出て、手足が不自由です、
でもこんなに素敵な浴衣を縫ってくれたんです。
高校生でこんな素敵な浴衣が縫える人は、
いったい何人いるでしょうか。
妹は小さいときに病気になって、
家族から離れて生活しなければなりませんでした。
私のことを恨んでるんじゃないかと思ったこともありました。
でもそうじゃなくて、私のためにこんなに素敵な浴衣を縫ってくれたんです。
私はこれから妹のことを、大切に誇りに思って生きていこうと思います」
会場から大きな大きな拍手が沸きました。
きいちゃんもとてもうれしそうでした。
お姉さんは、それまで何もできない子という思いで、
きいちゃんを見ていたそうです。
でもそうじゃないとわかったときに、
きいちゃんはきいちゃんとして生まれて、
きいちゃんとして生きてきた。
これからもきいちゃんとして生きていくのに、
もしここで隠すようなことがあったら、
きいちゃんの人生はどんなに淋しいものになるんだろう。
この子はこの子でいいんだ、
それが素敵なんだ、
「妹は私の誇りです!」
と皆さんの前で話されたのです。
きいちゃんはそのことがあってから、とても明るくなりました。
そして「私は和裁を習いたい」と言って、
和裁を一生の仕事に選んだのです。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「人生の最大の悲劇は、
自分が誰からも必要とされていないと知ることである」
──マザー・テレサ
- ¥520
- Amazon.co.jp
ついこの間まで、世界の人口は63億人と覚えていた記憶があるが、
今年の10月には70億人!を越すとか。
そして間もなく数年後には、日本国民の3人に1人が65歳以上に!
自分の周りを見回したら、その3分の1は後期高齢者と、末期!?高齢者。
いずれにしても、老後の心配は”貧乏”・”病気”・”孤独”である。
老齢に従って、収入は年金と蓄えしかないから
貧乏は仕方がないとしても、
心まで貧しくなるわけではなく、
ほどほどのお金で生活はできる。
病気は、歳を取ると身体の不具合が生じてくるのは自然の理である。
問題は、孤独・・・。
孤独とは、周りに誰もいないことではない。
群衆の中の孤独もある。
家族団らんの場に、自分が入っていった瞬間に、
周りがブルーになったら、
また自分がいつの間にか、そういう人間になっていたとしたら・・・
人は、良かれと思って行動し、言葉を口にしているが、
何故か、好かれる人と、嫌われる人に分かれる。
人から好かれるには、世界的に、人種を問わず、ある共通点がある。
『明るく・元氣で・遊び好き・欲が深くて・ええ加減!』
欲が深いのは、好奇心と勿体無いという倹約精神をいう。
吾、唯、足るを、知る ──
無いものを嘆くより、今あるものに心から感謝すること。
「不満大敵」

