黒木さんから
出過ぎる杭は打ちにくい!―1万メートル上空から観た人生成功人間学 (サンマーク文庫)/黒木 安馬
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⇒ 『籠に乗る人、かつぐ人、そのまたワラジを編む人──なりたい自分は?』

フラフープみたいな、軽いパイプでできた大きな輪を用意する。
床に置いたそれを、5,6人が輪になって取り囲むような位置につき、
全員がそろって、一本の人差し指だけで、
頭上まで持ち上げるゲームがある。

大きなリングは、すぐにバランスを崩して、
指先からはずれて、床に落ちてしまうことが多い。

ところが、誰かリーダーを決めて、
その人が号令をかけるなど、仕切る人が一人でもいると、
驚くように上手く行くようになる。

一人ひとりの力量に関係なく、
チームワークとは、組織とは・・・
オーケストラに指揮者がいるように、
誰かリーダーがいないと成り立たないことの証明である。


血を吹くようなシュートで、釜本邦茂がゴールを決めた瞬間、
メキシコ・アステカ競技場の観衆は一斉に立ち上がって、
日本チームに熱狂的な拍手を送った。
釜本は手を挙げながら、踊るような足取りで、
ラストパスをくれた杉山隆一のところへ駆け寄った。
「リュウーさん、いいパスだったよ!」
「ガマ、よくやったなあ!」
「いやあ、あれをはずしたら、申し訳が立ちませんよ」
二人はしっかりと手を握り合って、お互いの幸運を喜び合った。
他の選手たちも、いつしか二人の周りに集まって、
口々に健闘をたたえあっている。
いつまでも鳴り止まない大観衆の拍手の中で、
釜本も杉山も、みんな突き上げてくる感動に思わず目頭を押さえて、
肩を叩き合うばかりだった。
1968年第19回メキシコオリンピック大会、
みごと日本が銅メダルを獲得した、記念すべき一瞬の一こまである。

一つの仕事に向かって、種をまく人、水をかけて育てる人、
刈り取る人、荷造りする人、
この共同作業が無ければ、仕事は完成しない。
サッカーでも同じようなものである。
この長沼健監督の言葉通り、
彼らはそれぞれの役割を忠実に果たし、
うって一丸となって、ついに貴重な一点をものにしたのである。
それはまさしく、フォロワー(follower)シップの凱歌でもあった。

フォロワーには、従者、家来、党員、子分、信奉者、
信者、弟子などの意味がある。
つまり部下とは、どんな役割を負ったものだろうか。

上役の命令を忠実に守る、
与えられた仕事を計画通りに遂行する、
報告する、
提案する、
このほかにもまだ色々とあるが、
これらはいずれも部下としての義務の範疇だと言える。

フォローワーシップとは、それらの上に
今一つ大事なものを加える必要がある。
つまり部下の立場から、
上司がリーダーシップを発揮しやすいように補佐するということである。

あなたの上司は、常々
どうすればあなたが仕事をしやすくなるか、
どうすれば能率を上げやすくなるか、
どうすれば責任を全うしやすくなるか、
と思い悩んでいることだろう。
その心を、あなたもまた上司に対して持ってあげること。

上司がリーダーシップを発揮できない陰には、
部下のフォローワーシップの不足が、
時として大きな原因となっていることを忘れてはいけない。
また、リーダーシップは、役職上の上役だけに求められるものではない。
あなたにしても、誰にしても、いつ何時、
それを必要とする立場に立つか分からない。
例えば、仕事には時として、同僚間からリーダーを選び、
メンバーの共同責任で、ことを進めていくという手順をとることもある。
もしそのリーダーに、あなたが選ばれたとしたら、どうだろう?
メンバーの力を統合して、効率よく目標を達成するには、
それなりのリーダーシップが必要となる。
その時あなたは、メンバーのフォローワーシップの有難さを
身をもって知ることになるだろう。
またプロジェクトチームの場合には、あなたがチームリーダーとなり、
上司がメンバーの一員となることもある。
そのような時には、あなたが上司にフォロワーシップを求める立場になる。
つまりフォローワーシップとは、相手が上司であれ、同僚であれ、
そこにリーダーがいる限り、その機能の最高発揮を、
あらゆる角度から助けるものでなければならない。

要約してみると、フォローワーシップとは、

1 上役の命令を忠実に守ることである。
2 与えられた仕事を計画通りに遂行することである
3 自発的に報告・提案をすることである
4 上司がリーダーシップを発揮しやすいように補佐することである
5 上司があなたを思うように、あなたもまた上司を思うことである
6 上下の関係を超越して、誰もが相互に必要とするものである
7 例え、リーダーが誰であれ、
その機能の最高発揮をあらゆる角度から助けるものである

メキシコオリンピックに参加した日本サッカーチームの勝利は、
まさにこのフォローワーシップの勝利でもあった。
彼らの、リーダーとフォロワーの役割は、
刻一刻と変るゲームの状況に沿って
めまぐるしく変化、交代した。
これまで最高のリーダーシップを求められていた選手が、
突如、次の瞬間に最高のフォロワーシップを
求められる立場に変ることもあった。
リューさんも、ガマさんも、みんなそれを鮮やかにやりこなした。
一人ひとりが徹底したアシスタント精神の持ち主だったのだ。
その固まりが土壇場で、
釜本に見事なリーダーシップを発揮させたのだ。
彼らとて人間である。
普段の付き合いの中では、
様々な感情のもつれや、行き違いもあったことだろう、
が、彼らはひとたびその場に臨むや
ささいな私的感情はさらりと捨てて
チーム目的達成のために
ひたすらフォロワーシップを発揮したのである。


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さあ、今日から小さなこだわりは捨てて、
アシスタント精神に徹しようではないか。
あなたの上司にも、同僚にも、後輩にも、
フォローワーシップを惜しみなく提供しよう。
独りよがりを捨てて、共に助け合う心を持とうではないか。
目標達成に、中本一緒に心を砕こう。


「人間は互いに責むべきものではない。
助け合うべきもの──。
それとも、なにかな?
おまえさんは、罪に汚されたことも無いお人だとでも言うのかな?
もしそうならば、わしは生まれて初めて、
お前さんという、罪に汚されたことの無い人間を見るのじゃ。
どれ、とっくりと、そのお顔を拝ませてくだされ!
一休禅師

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