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Facebook、販促の切り札 「実名登録」の信頼 企業が活用~フジサンケイ ビジネスアイ

 世界最大のインターネット交流サイト「フェースブック(FB)」が、出遅れていた日本でも急拡大の兆しをみせている。チュニジアやエジプトの政権崩壊にも大きな役割を果たし、その速さと広がりの威力を見せつけたFBは世界で6億人近くが利用する巨大情報インフラ。実名登録が原則という“しばり”が、新たな優良販促ツールとしての強みを発揮。これを活用する企業も増えている。

 エジプトのムバラク政権崩壊の過程では、当局がインターネットを監視していたにもかかわらず、FBによるデモ参加の呼びかけが当局の予想をはるかに上回る速度で国民の間に広がり、FBの驚異的な情報伝達パワーを世界に示した。

 FBは米ハーバード大の学生だったマーク・ザッカーバーグ氏が2004年に学内の学生向け交流サイトとして開発。その後、他の大学に急速に拡大し、06年には一般公開され爆発的に普及した。現在では世界で6億人近くが利用しているのに対し、08年に日本語化された国内の利用者は約200万人にとどまる。国内最大の交流サイト「ミクシィ」の利用者約2200万人に比べ1割にも満たない。しかし「FBは、じきにミクシィを脅かす存在になる」(大手金融系証券アナリスト)との予想もある。

 インターネット調査会社のマクロミル(東京都港区)が1月に発表したFBの利用状況調査によると、登録時期は「08年」と「09年」の合計が27.2%だったのに対し「10年以降」は65.6%と急増ぶりがうかがえる。

 登録している情報は「性別」が87.6%で最も多く、「実名」も78.6%だった。居住地や勤務先なども少なくない。かなりの個人情報が集積されている点に注目し、企業が販促ツールとして利用し始めた。FBの中でも著名人や企業がファンを集めたり広告などに活用できる「ファンページ」を活用し、ネット通販会社などを中心に導入するケースが増えている。

 いち早くFBを販促の柱に据えたのが、エスワンオー(同目黒区)だ。ネットマーケティング・広告事業の同社は、ファッション分野進出に当たってアジア市場をにらみFBを活用。同社のブランド「サティスファクションギャランティード」は日本では無名だが、アジアでは25万人強のファンを集める。ファンページ内のショッピングコーナーで英語と日本語で商品を説明し、気に入れば購入できる。佐藤俊介社長は「FBは航空路線でいえば“国際線”。世界に向けて旅立つには欠かせない」と説明する。

 ◆情報公開に不安も

 ネット通販サイト運営のネットプライス(同品川区)は昨年12月、対象商品の「いいね!」ボタンを1回クリックするごとに100円値引く「いいねギャザリング」を開始。第1弾の液晶テレビは2週間で300人以上がクリックし、最低価格の100円で落札された。

 「当初はもう少し人数が集まると思っていた」(同社)と語るように、集客効果はまだ満足できる規模ではない。今後は、メーカーとの協力拡大やファンのリクエストに応じた商品投入などで集客力アップを目指す。

 大手企業も本格活用に乗り出した。コンビニ大手のローソンは、架空のアルバイト店員「あきこちゃん」が商品を紹介するファンページを展開。登録ファンは8400人に達した。ファンページでは現在、から揚げの味アンケートを実施中で、近くファンの好みの味が商品化される。

 同社では「いろいろ試している段階。実名登録なのでまじめな利用者が多く、多様な機能を使った販促が工夫できる」と期待する。米国などで始まった利用者の位置情報と連動し、地域の情報発信やクーポン配布などの新サービスも検討している。

 台湾のHTCはFB機能を搭載したスマートフォンを開発中といわれ、FBの情報インフラは拡大の勢いを増している。

 ただ、FBについては実名など個人情報の登録に不安も根強い。マクロミルの調査でも個人情報の公開に対する不安は51.6%に上っている。「人脈を広げるより、親密な間柄での交流が日本人気質に合っている」(ミクシィ関係者)という指摘もある中、日本でのFB浸透の成否はセキュリティー機能とビジネスツールとしての利便性拡大を両立できるかどうかにかかっている。

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