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【F1】残り5戦、“5つ巴”。史上最高のチャンピオン争いの行方
スポルティーバ 9月15日 17時20分配信
3月に幕を開けた2010年シーズンは、ヨーロッパでの戦いを終え、いよいよあと5戦を残すのみとなった。
ポイント計算上の可能性はともかくとして、実質的なチャンピオン争いは5人に絞られた。レッドブルのセバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバー、マクラーレンのジェンソン・バトンとルイス・ハミルトン、そしてフェラーリのフェルナンド・アロンソだ。
マクラーレンのマーティン・ウィトマーシュ代表は「チャンピオン争いは(最終戦の)アブダビGP(UAE)まで続くだろう。壮大な戦いになるだろうね。F1の歴史上でも、最高のチャンピオン争いになるかもしれない」と熾烈なチャンピオン争いを予想する。
優勝すれば25ポイントが与えられる今季のポイントシステムでは、1戦の結果で上位5人のランキングが完全に入れ替わる可能性すらある。
この混戦の中から抜け出すのは誰か。それを探る手がかりになるのは、残る5戦が行なわれるサーキットの特性だ。
市街地の特設コースで行なわれるシンガポールのマリーナベイストリート、日本の鈴鹿、ブラジルのインテルラゴス、アブダビのヤスマリーナは、いずれも曲がりくねったサーキット。マシンの総合性能が問われるこれらのサーキットでは、レッドブルの圧倒的優位は間違いない。
初開催の韓国は未知数だが、アブダビに似たレイアウトでもあり、ここでもレッドブルが優位に立ちそうだ。長い直線のあるシンガポールやブラジルではマクラーレンにも可能性はありそうだが、レッドブルを打ち負かすことは難しいだろう。
つまり、レッドブルのふたりが最有力候補であることは間違いない。現在5位のベッテルは追撃に自信を見せている。
「確かに僕はまだ後れをとっている。でもこの差を維持するために、プレッシャーを感じているのは上位にいる彼らの方だと思うよ。僕は全開で捕まえるだけだ。(レッドブルにとって不利な)イタリアでの4位は、シンガポールなら優勝に匹敵するリザルトだ。残りの5戦も同じような戦いができれば、充分に満足できる」
唯一の問題は、レッドブルのふたりがポイントを食い合うことで、ライバルに付け入る隙を与えてしまいかねないこと。今季、何度もそんな場面が見られただけに、不安がないわけではない。
昨年、最速のマシンを手にしながら、信頼性不足やミスでタイトルに手が届かなかった苦い経験を持つベッテルは、「絶対に自分たちの力を信じる心を失わないこと。それが去年学んだ教訓だ。まだ焦る必要もパニックになる必要もないよ」と語る。その姿勢が本物なら、タイトル争いはレッドブルのふたりの戦いになるはずだ。
一方のマクラーレンは、ハミルトン、バトンの両ドライバーに可能性が残されているものの、これまでの経緯を考えれば、どこかのタイミングでハミルトンを優先する姿勢を打ち出してくることも充分に考えられる。
だが、ハミルトンはイタリアGPのスタート直後にクラッシュしてリタイアしたように、プレッシャーのかかる場面で攻めすぎてミスを犯すことがある。それでも、彼は攻めの姿勢を崩すつもりはないという。
ウィトマーシュ代表はこう語る。
「ルイスはアグレッシブなドライバーなんだ。ソファでくつろいでリプレイ映像を見れば、ああすべきじゃなかったと思うかもしれないが、あれがルイス・ハミルトンだ。我々は彼のそのスタイルを変えたくはない。重要なのは、明日の朝、目覚めたら彼がトレーニングをして、次のレースに向けて、自分の仕事を果たすべく集中するということだ」
そして、フェラーリはイタリアGPが不発に終われば、今季残りのレースは諦めて来季型マシンの開発に専念するとしていたが、アロンソがイタリアで優勝したことでタイトル争いに踏みとどまった。ただし、背水の陣であることも充分に認識している。
「僕らがチャンピオンになる可能性は、ライバルたちの動向ではなく、自分たちが安定した戦いをすることにかかっている。僕らにはレースを無駄にする余裕はもうない。常に表彰台を獲得しなければならない。何かひとつでも失敗すれば、もうお終いだ。難しいのは分かっているが、絶対に諦めないし、このプレッシャーに打ち勝って全力を尽くすよ」
こうアロンソが言うように、常に表彰台に上っていれば、ライバルの自滅でチャンスが転がり込んでくることもある。レッドブルとマクラーレンがチームメイト同士で潰しあいをする可能性は決して小さくはないだろう。
残り5戦、“5つ巴”のタイトル争いは、間違いなく熾烈でエキサイティングなものになる。
※第14戦イタリアGP終了時点のランキング
1.マーク・ウェバー(レッドブル) 187
2.ルイス・ハミルトン(マクラーレン)182
3.フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)166
4.ジェンソン・バトン(マクラーレン)165
5.セバスチャン・ベッテル(レッドブル)163
【残り5戦のスケジュール】
シンガポール 9/26(日)決勝
日本 10/10(日)決勝
韓国 10/24(日)決勝
ブラジル 11/7(日)決勝
アブダビ 11/14(日)決勝
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