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エチゼンクラゲを美容や薬に 関電、発電所対策兼ね
産経新聞 9月6日 11時47分配信
エチゼンクラゲなどを使った医薬・化粧品開発プロジェクトの拠点となる関西電子ビームの「電子線照射施設」=福井県美浜町(関西電力提供)(写真:産経新聞)
関西電力は6日、大量発生で漁業被害や原子力発電所の取水口の目詰まりなどの問題を引き起こす“海の厄介者”のエチゼンクラゲを利用して、医薬品や化粧品を開発するプロジェクトに乗り出したことを明らかにした。クラゲから有効成分のコラーゲンを取り出し、原料のハイドロゲル材(ゼリー状物質)に加工。けがの患部にはり付ける創傷被覆材やにきび予防の美容マスクなどの材料とする計画で、エチゼンクラゲの有効活用を目指す。
エチゼンクラゲは日本海で大量発生し、漁網を破るなど深刻な被害を及ぼしている。平成11年6月には高浜原子力発電所2号機(福井県高浜町)の取水口に大量に来襲。取水口の防塵(ぼうじん)装置4台のうち2台が停止し、出力を低下させるなどの原発への悪影響も出ている。
今回のプロジェクトは関西電力子会社の関西電子ビーム(大阪市北区)、日華化学(福井市)、福井県立大学海洋生物資源学部(小浜市)などが共同で行う。
関西電子ビームの電子線照射施設(福井県美浜町)を活用し、エチゼンクラゲから抽出したコラーゲンと、越前ガニの殻からとれるキトサンを混ぜ合わせた物質に電子線を照射することで、ハイドロゲル材を生成する。
コラーゲンの保湿効果とキトサンの抗菌効果を併せ持つハイドロゲル材が開発できれば、創傷被覆材や美容マスクなどの商品化も可能となる。22年度に基礎研究を進め、23年度以降に実用化研究へ移行する。
関電は17年3月に福井県が策定した「エネルギー研究開発拠点化計画」に参画。同県敦賀市や美浜町、小浜市などで研究開発機能の強化や産業創出・育成などを推進している。
8月30日に関西電子ビームが電子線照射施設の運用を始めたのを機に、同施設を活用した地域貢献活動として、今回のプロジェクトに着手した。関西電力の酒井和夫原子燃料サイクル室長は「地元のためにも実用化につなげたい」と話している。
大量発生したエチゼンクラゲは、処分法が課題となっており、福井県小浜市で地元の水産高校と企業が粉末化し、羽二重餅(はぶたえもち)として商品化するなど活用法が模索されていた。
今年のエチゼンクラゲの動向について、水産総合研究センター日本海区水産研究所(新潟市)は「昨年は大量発生したが、今はまだ兆しはない。日本沿岸に近づくのはこれから」としている。
【用語解説】エチゼンクラゲ
日本近海では最大級のクラゲで
大型のものでは傘の直径が2メートル、重さが150キロになる。
中国・黄海などで発生し、夏から冬にかけ海流に乗って日本沿岸に出現する。
近年、日本海で大量発生しており、巨大な群が漁網に入る漁業被害が大きな問題になっている。
大量発生の要因としては、地球温暖化による海水温上昇などが考えられる。
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