- これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学/マイケル・サンデル
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「正義とは何か」という問いに対し、サンデル教授は3つの答えがあるとする。
1つ目は、英の功利主義哲学者、ベンサム(1748~1832年)に代表される「最大多数の最大幸福が正義である」とする答えだ。
2つ目が、独哲学者のカント(1724~1804年)が掲げた「人間の自由な選択を尊重すること」。
そして3つ目が、古代ギリシャの哲学者、アリストテレス(紀元前384~同322年)の「何が美徳であるかを明らかにし、それをつちかうことが正義である」とする考えだ。
しかし、サンデル教授の講義は、3つのどれかが正解だとはしない。
講義の主眼は、過去の哲学者が重ねた議論を参照しながら
答えが出せない問題について深く議論することにある。
教授は言う。
「哲学の問題は哲学者たちだけのものではなく、われわれの日常生活に存在しているのです」
講義は前後半に分けられ、計約3時間20分。予定時間を約1時間20分も超過する盛り上がりぶり。教授は「友人は『日本人は積極的な議論ができない』と言っていたが、非常に刺激的ですばらしい議論ができた」と感想を述べた。「知を愛する」という哲学の語源そのままに、普通の人間の生活に哲学の思考を応用する教授の講義は、日本の受講者にも、知の興奮と深い感銘を与えたようだ。
終了後、降壇する教授への満場総立ちの拍手は何分も鳴りやまなかった。傍聴した記者もわれ知らず立ち上がり、手をたたいていた。「白熱教室」という名前通りの熱い討議だった。
講義の模様は10月31日と11月7日の2回に分け、NHK教育テレビで放送される予定だ。
【プロフィル】マイケル・サンデル
米ハーバード大教授。専門は政治哲学。1953年、米ミネソタ州生まれ。米ブランダイス大卒業後、英オックスフォード大で博士号を取得。ハーバード大で「Justice(正義)」の講座を担当している。毎回1000人もの学生で教室が埋まる“対話型”の人気授業で、同大では1636年の建学以来初の一般公開に踏み切り、2005年秋学期の模様がテレビ番組にまとめられた。個人を支える共同体の役割を重視するコミュニタリアニズム(共同体主義)の代表的論客で、リバタリアニズム(自由至上主義)やリベラリズム(社会自由主義)の批判者として知られる。
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