きくたんさんから
今から約1000年前に書かれた『源氏物語』は、
その巧みな心理描写、緻密な筋立てから
「世界最古の長篇小説」といわれます。
その「源氏物語」を題材とした市民講座が
定年退職した団塊の世代に人気が高いと聞きました。
それは、源氏物語の登場する登場人物の心情に
共感する人が多いからでしょう。
今からさかのぼること約2600年前に
釈尊は人間の普遍的な苦しみを
「四苦八苦」と説かれましたが、
その中に
【愛別離苦】
【怨憎会苦】
【求不得苦】
があります。
【愛別離苦】
愛する人と別れなければならない苦しみ
死に別れ、生き別れ、失恋。。
【怨憎会苦】
嫌いな人と会わなければならない苦しみ
嫁姑の争い、職場でのハラスメント、冷え切った夫婦間。。
【求不得苦】
求めても得られない苦しみ
片思い、不合格、ユメがかなわない。。。
それぞれあなたも体験されていることと思いますが、
特にこの三つの中で辛かったのはどれですか?
源氏物語の登場人物も苦しんでいるのはこれらのことです。
愛する人が突然の疫病で亡くなり、
夜も眠れず嘆く人が現われます。
これは【愛別離苦】
夫婦ながら、相手が嫌いになり、
離婚しようかと悩む人も出てきます。
これは【怨憎会苦】
通い婚といって夜、女性の館に男性が通うのが通例だった時代、
毎晩、香を炊いて待っていても、
もう何ヶ月も来てくれないと嘆く女性も出てきます。
これは【求不得苦】
1000年前ですから、
今とは食べるものも住むところも着るものもまったく異なり、
今日のように科学は発達しておらず、
政治形態もまったく違っていたあの時代ですが、
人間が苦しんでいる内容が少しも変わっていないことが知らされます。
1000年もたって、
政治経済医学科学、
あらゆるものが変化したのに、
いまだに苦しみが軽減されておらず、
愁嘆の声ばかりが聞こえてきます。
今後、22世紀、23世紀と時代が進み、
科学も、医学も、政治も、経済も、
試行錯誤を重ねながら、
進歩向上していかねばならないのですが、
肝腎要の
これらの苦しみは無くなるでしょうか。
せめて軽くなるでしょうか。
源氏物語は
どれだけ時代が変わっても、
国が変わっても
人間の本質は何も変わっていないことを
私たちに語っています。

