黒木さんから


⇒ マイナス思考とプラス思考の違い

人は誰でも《幸福の青い鳥》を探し求めて人生の旅を続けている。
では、その幸福の条件とはいったい何であろうか。
言葉で明快に言い切った人はいないと思っていたが、
先日、久しぶりに学生時代に専攻していた本を読んでいたら偶然見つけ、心に響くものがあった。
若いころは、定義などとはどうでも良くて、血気盛んに前進あるのみだったから気にも留めなかった。
 
心理学者のカール・ユングが言う《幸福の五条件》である。
1、健康 2、パートナー 3、感動 4、仕事 5、お金 とある。

 三つ目は、感動する心。
 最近の風潮は、無気力・無感動・無関心と言われているが、
幸福であるためには、この一日一感動が必要だと言っている。
 愛情の反対語は何であろうか? 憎しみではない。
マザーテレサーは、それは無関心だと言っている。
関心を払ってもらうことは感動の共有でもある。
それは、雲海から昇りくる太陽の荘厳さに感動し、感謝する感受性でもあるだろう。
朝日に感動する心。最近はそれが薄れてしまっているかも知れない。
アインシュタインが一九二二年に来日した折、世界に向けて発信した言葉がある。


「世界の未来は進むだけ進み、その間幾度か争いは繰り返されて最後の戦いに疲れる時が来る。
その時人類は真の平和を求めて世界の盟主を挙げねばならない。
その世界の盟主たるものは武力や金力ではなく、あらゆる国の歴史を抜き越えた最も古く最も尊い
家柄でなくてはならぬ。世界の文化はアジアに始まってアジアに帰る。
それはアジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない。
我々は神に感謝する。我々に日本という尊い国を作っておいてくれたことを」


アインシュタインは、昇る朝日に手を合わせて感謝する崇高で勤勉な
日本人の国民性に心を打たれたと言われている。
普段の仕事で言えば、朝日が昇り始めると条件反射的に、ああ、また今日も仕事をしなくてはいけないのか、
ではなく、奇麗だなあ、こんな美しい夜明けを今日も見られるなんて何て恵まれた私だ!
よし今日も新しい一日を楽しくしよう、と思うかどうか。


 マイナス思考とプラス思考の大きな違いは、何であろうか?
 マイナス思考は毎朝眼が覚めた時から、いや応なく自動的に飛び込んでくる。
TVをつけても新聞を広げても事件や事故などの暗くなるニュースばかり。
ヤル気が出てくるような情報はまず無い。

成人式を迎えた若者へのアンケート調査

「あなたの将来は明るいですか?」「日本の将来は明るいですか?」に、
90%の若者が、「暗い」と答えている。


テレビの出現が、氷山の一角でしかない悪い事件のリアルタイム・ニュースを、これでもかと流し続けることによって、若者の発想概念を暗くしてしまっていると言える。
かと言って、世間から遠ざかって無人島で暮らすわけにもいかない。

 かたやプラス思考は、自助努力なしでは入ってこないと言う大きな違いがある。
だから、意識して何事も良い方向に明るく楽しくとらえる習慣、心構えが必要である。
どんなニュースも、極端で最悪な場面を一部分切り取り拡大しただけであって、本来の残りは健全であるはず、
と発想の主軸を自らの意思で変えることが肝要である。

 はっきりしていることは

嫌だなと思っていると必ず悪いほうに向かってトラブルを引き起こすし、
感動すると必ずよい方向へ向かう。


《良いことを想えば良いことが起き、悪いことを想えば悪いことが起きる》は潜在意識の法則である。
そのように振舞っていると、間違いなくそのようになる、これは、誘引の法則である。


 同じ出来事でも、心の持って行きかた次第で大きく違ってくる。感動すると神経が快感のα波になって、
血液がサラサラ状態になる。ネガティブ思考状態ではβ波だから、血液はドロドロで健康も悪化する。
感動しようと思ったら、そのつもりで周りを見まわすとたくさんある。道端に咲く小さなスミレとかタンポポ・・・雲の動き。
知り合いの書家に辻良樹さんがいるが、「無いものをなげくより、あるものに感謝しよう」と書いている。
これが感動を発見する出発点であろう。

朝起きた時にやることがあること

四つ目は、仕事。
  これは毎日こなしている仕事のことではなくて、切実な問題である。
 ユングは、こう言っている。「朝起きたときにやることがあること」と。
 一年半ほど前に定年退職したキャプテンの葬式に行ってきた。
彼がラスト・フライトだった時も一緒だった。魚釣りとゴルフが趣味のいつも元気な人だった。
退職して間もなく、ひょっこりと我が家に現れた。
驚いて、また急にどうしたのですか、と聞いたら、なんと横浜のマンションを売り払って、我が家の近所に
引っ越してきたと言う。数千万円もする大型クルーザーを買ったから一緒にフィッシングに出かけないかとの誘いだった。
 出かけるついでに、新居に案内されて驚いた。
埋め立てられた田んぼの中に、窓から手を伸ばすと隣家に届きそうに狭い、びっしりと建てられた安っぽい
建売住宅だった。冗談かと思ったが、機長の退職金はすべて船に使ったから、これで良いと言う。
 ところが、こちらも毎回その魚釣りに付き合うほど暇ではない
彼にしても、最初の頃は奥さんも大きな魚や釣果をともに喜んでくれたかもしれないが、
そのうち近所に配っても嫌がられるようになる。丸ごとの魚をたくさんもらっても料理するだけでも大変である。
漁師ではないし、釣って来ても誰も相手をしてくれなくなる。


 ゴルフも最初は付き合ったが、それも限界がある。
その後どうなるだろうか? 彼は毎日ひとりで、老人と海の生活。
半年後に、町ですれ違っても別人みたいに老け込んでいて、誰も元国際線の花形機長だったなどと
想像もできない風貌になっていた。
中年老いやすくガクガクになりやすし。
それからしばらくは音沙汰がなかったので、さほど気に留めることもなかったが、
奥さんから電話がかかってきた時には、もうその日は彼の葬式だった。ガンだったとのこと。
 朝起きた時にやることがないのが、免疫力を落としていったのは間違いないと主治医は言っていた
熟年離婚すると、女性はそのまま平気でいられるのに、夫のほうは衝撃が大きいらしく、
10、4年も平均寿命が短くなるとか。
それに比べれば、仕事が忙しすぎるなどと言っておられない。
やることが今日もあるということは、実はすばらしく幸せなことなのである

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最悪の事態は、最幸の事態の一歩手前