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未来を護る新技術

 ビードロを吹く女・・・異国情緒ただよう長崎の街を一望できるグラバー邸に向かうオランダ坂の
石畳を上りながら、歌麿が描いた浮世絵を思い出す。
 ビードロとかギヤマンという言葉は、何となくガラスのこととは知っていたが、調べてみて分かった。
ビードロは室町時代の長崎でオランダ語やポルトガル語でガラス細工のこと、ギヤマンとはダイヤモンドのことであった。
 五〇〇〇年前のエジプトやエーゲ海ですでにガラスが使われていたというから、相当の歴史がある。
その硬いはずのガラスを液体にする驚異的な技術が日本で開発された。
 塩田政利さんは、若い頃は建設現場でコンクリートを扱っていたが、五〇年もすれば酸性雨や紫外線の影響で
モルタルはボロボロに劣化してしまうことが頭にあった。
ピラミッドやパルテノン神殿、コロッセオなどの遺跡は数千年も残っていて、その共通点は石で出来ていることに気づく。
 石英で出来ているガラスを工夫すれば耐久性も延びるのではないかとひらめき、ガラスの研究を始める。
苦節九年目にしてようやく発明したのが液体ガラスである。
 初めて塩田さんと会ったのが、2006年11月、東京・荻窪にある塩田さんの会社、日興に知り合いの紹介で
面会のアポを取って出かけた時である。
中学校の理科室と美術室を混ぜてひっくり返したような実験道具と石の材料があちらこちらに散乱している事務所。
前もって、TV番組『夢の扉』でご本人の特集番組を観ていたから、
初対面であっても違和感が無く、興味津々であった。 
 ガラスの液体、石よりも強いコンクリート、1300度のバーナーでも燃えない紙、燃えない・割れない・腐らない木材、
水は透さずに空気を透し、ハンマーで打っても割れない一ミリ厚モルタル、錆びない鉄・・・
信じられない革新的な発明に驚いた。
 塩田さんは、ソファーに座ると、ゆっくり自己紹介を始めた。
人生を四回変えたと言う。商社と公共事業一七年、医学の勉強、そして現在。おもむろに説明が始まった。
「石英を千四百度以上の温度で溶かして型を作り、それを冷やすとガラスになりますが、
それに企業秘密の30種類の酵素を混ぜることで、
見た目には水と少しも変わらない『液体のままのガラス』ができます。
それを塗れば十時間で乾燥して硬化し、木造物内部に浸透して木が半永久的に腐ることがなく、
ガソリンをかけて火をつけても火災にならないのです。
古くなって色あせた木材でも塗った後で磨くと木目がその場で新品によみがえる。
サッと拭くだけで汚れもすぐ落ちる。ひびが入る普通の板ガラスのような硬い表面を作るわけではないので、
紙に塗っても変化自在の防水の折り紙にも雨合羽にもなります。
コンクリートに塗れば50年の耐用年数だったのものが、200年になる実験にも成功しました」
 針状結晶のアスベストが劣化して飛散し、肺がんや中皮腫の原因になるとして除去を義務付けられているが、
溶剤による封じ込めか高温での溶融処理しか手段が無くて莫大な費用がかかってしまう。
そのため公共施設の四割が未処理のままだという。
ところがこの液体を噴霧するとたちまち硬化して塊になってしまい、手間のかかる産業廃棄物になるどころか、
強固な耐火タイルレンガなど宇宙技術にも使える新素材にもなることが分かった。 
 簡単な使用方法と安いコストで、有機溶剤有毒ガス封じ込め等の無害化・飛散防止が可能になり、
道路やトンネル、灯台や防波堤などを長期耐久化させて産廃まで無くすとしたら、
これは宇宙船地球号にとって大変貴重な発明である。
 木が燃えないで耐久度が格段に増すとなれば火災保険基準も変わるだけでなく、
法隆寺・清水寺・厳島神社などの遺産が保護できるし、
広島原爆ドームのコンクリートも未来へのメッセージとして保存できる。
 国中のあらゆるインフラ事業がコンクリート製であり、なんとか早めに手を打たないと日本がダメになる。
世界一速いスピードで高齢化しているわが国は、長期耐久化と安全化を図っておかないと手遅れになる・・・
そう語る徳島県の貧しい農家に生まれた1936年生まれの塩田さんは、ノートにこう書き込んだ。
〈2025年 無機質石化時代、日本国土の安全と安心を子供たちへ〉
 そのころには現在の建造物に危機が来るという警鐘であろうが、塩田さんは90歳近くになっている。

一時間の幸福が欲しいなら昼寝をしなさい。
一日の幸福が欲しいなら釣りに行きなさい。
一ヵ月の幸福が欲しいなら結婚しなさい。
一年の幸福が欲しいなら財産を相続しなさい。
一生の幸福が欲しいなら人を助けなさい
──中国のことわざである。

 間違った発明であった有害アスベストを、“明日ベスト”に変えて未来を護ろうとする新技術。
遠くを観ながら活きている人はいつの世も美しく輝いている。

人生は、自己責任。
毎朝が新しい自分の誕生日、
自分と握手のできる新鮮な日々をお過ごしください 
この世に生まれるまで母親の胎内に「十月十日」⇒「朝」の字になります。
子曰 朝聞道 夕死可矣 (朝(あした)に道を聞かば、夕べに死すとも可なり)
⇒今の自分と握手が出来る、いつ死んでも構わない充実人生を日々歩め!