脳科学✕心理学でやる気スイッチON🤔


仕事柄、やる気を高める方法はどうしても気になってしまう。古くは心理学からのアプローチが多かったが、最近の脳科学の著しい発展で、新たな発見が数多くもたらされている。より合理的で腹落ちする気づきが得られることが多く、心強い味方が増えることがうれしい。

子どもの学習意欲を高める知見に改めて触れたい思いが高じて、積読の山から引っ張り出した本書。統計学習という無意識の働きに注目した研究は、従来のアプローチに新たな見方が加わり、この方面に知見がある人でも得るものが多い内容になっていると感じた。

外発的動機と内発的動機は対立的と捉えがちだが、決してそんなことはなく、状況に応じて使い分ければよいこと。脳内では未知のストレスと興味がせめぎ合って、モチベーションが上がること。経験的な納得が科学的な分析で整理され、復元性が高められている点が秀逸だ。

特に、最終章はモチベーションの高め方で悩む人たちに大きな力を与えてくれるだろう。やる気を高めたい相手への働きかけに留まらず、自分が躓いた際にも客観的に見つめ直すスキームになりうる。手軽ながら学びが大きい新書との出逢いに、心から感謝したい。