永遠に続くはずの繁栄も破滅はほどなく😓

ギリシアといえばアテネのイメージが強いが、それは大いなる繁栄があればこそ。民主主義やオリンピックなど、現代に繋がる創造性豊かな文化も歴史に燦然と輝く。それらも有能な人材の活躍で実現したことを第2巻が雄弁に物語っていた。

現代の価値観から見ても、繁栄したアテネの国家戦略は実に合理的だ。アテネの同盟が単なる軍事同盟に収まらず、経済的な繋がりや食糧確保にも重要な役割を担ったが、指導層の迷走で戦略が破綻する。スパルタとの長引く戦争ですべてを失う結果に。

海洋国家の繁栄と衰退は、日本にとって他人事ではない。イノベーションを起こすには、何よりも創造力と正しい方向へのエネルギーが不可欠。外的要因も踏まえた戦略を持った指導者をいかに育てるのか。支える政治のあり方も考えさせられた。

第3巻からはペルシャやマケドニアが進出する展開になるが、どういう歴史的教訓が学べるか。哲学者たちの活躍にも期待しながら、未曾有の繁栄を築いたローマ帝国に繋がる歩みを噛み締めていきたい。