ヴィルヘルム・ケンプ
Wilhelm Kempff(1895~1991)
ドイツ系ピアニストの頂点に立つ大巨匠
「純血のドイツ本流ピアニスト」ともいうべき、ルービンシュタインと並んで偉大な音楽家達からも敬愛される、歴史上で最も偉大なピアニストの一人。「ベートーヴェン弾き」といわれるピアニストは何人かいますが、好みはさておき、歴史上でベートーヴェン弾きとして必ずトップに挙げられるのがヴィルヘルム・ケンプです
もちろんシューマンやブラームスなども一切遜色なく、ドイツものに関しては「まさに正統、これぞ格の違い」を見せてくれます。ショパンなどドイツもの以外の録音ももちろん素晴らしい。
ケンプの演奏スタイルはまさに「正統」そのもの。基本を完璧に抑え、構成や展開は説得力があり明確、ムダは皆無で過剰な表現も無し。各声部のバランス、装飾音の絶妙さからもセンスの高さが伺え、気の利いた優しさや温かさがあるのも大きな特徴。テンポは超インテンポ系で、ただテンポが一定なだけでなくビートやグルーブの効きはケンプの最大の魅力ポイントといえるでしょう。
これは時代のせいだと思いますが、日本では意外にもケンプの人気がいまいちのような気がします。もし聴いたことがないのであれば、ケンプは必ず聴いておくべきピアニスト。古い録音が多いので聴きづらさはありますが(少なくとも1950年以降の録音がおすすめ)ケンプを知らずして音楽やピアノを語ることはできません。
またケンプはソロだけでなくて、ヴァイオリンやチェロなどとの室内楽作品も超一級なので、こちらも機会があればぜひ聴いてみて下さい。
ではランキング!!
★★★★★(5/5)
リズム・ビート・グルーブ感 ★★★★★+
構成・展開力 ★★★★★
ダイナミクス・インパクト ★★★
美しさ・歌・センス ★★★★
緻密・繊細さ ★★★★
ヴィルトゥオーゾ的要素・技巧 ★★★
魔力・音色 ★★★★
カリスマ性 ★★★★★
万能さ ★★★★★
人気・ユーモア ★★★★
ベートーヴェン「テンペスト」ソナタ
ベートーヴェン「月光」ソナタ