高橋和巳は初めて読みました。
散華他 5篇
ラストゲームの余韻の中で、「散華」読まなきゃって思ったわけですが。
社会の底辺に生きる人々の苦悩と慟哭に満ちた作品は、最近の作家とは
まったく異質で、暗く重いものなのに、追われるような気持ちで読み続けてしまう。
全共闘時代に若者のアイドルだったというのも当然だけど、現代ではちょっと忘れられた?
図書館の本もとてもとても古いものだった。・・・昭和42年発行!
「貧者の舞い」は、部/落/に生きるこどもと女教師のやりとりが
二十四の瞳へとイメージの比較で、陰鬱になってくる気持ちが堪らない。
「日々の葬祭」もまた部/落/の貧しさとそこに生きる人々の絶望と悲しみに
いたたまれない気持ちになる。
一方、「飛翔」は力強いイメージを持ちながらも、渡り鳥のあっけない一生は
人の一生ともたいして変わらず、運命に導かれたかのようで
あがいてもあがいても、その運命からは結局は逃れられないということに
やるせない気持ちになる。
どの話も暗く、重く、憂いに満ちたものでなかなか凄まじいものがありました。
いやーでもこういうのもたまにはいいね!
ちなみに散華は、ちょっと期待したものとは違ったさ・・・
ラストゲームに一番近いイメージなのは「あの花この花」
当時の若者ってこんな感じだったのかな?
彼らは常に争いあっていた。------彼らが気負いたてば気負いたつほど、
側目にはむしろ滑稽に映ったことを彼らは知っていただろうか?
という言葉で始まります。
国家間の戦争に関しては、彼らにもほぼその成り行きは想像できた。
それはあくまでも予感の域を出なかったが、すべてのものにほぼ一致する確実な予感だった。
とても納得いく話だね。
相本は正直だったけど、誰にも予感があったということで!
この話だけは、ユーモラスで 救いがあった。
もっと他のも読んでみなきゃな。
