遮るものの無い広大な風景は、
私の住む辺りでは見る事はできない。
けれど載せて下さったフォトを目にし、
やっぱり見た事も無い風景だけれど、
この国には、この様に、荒らされる事無く、営みが風景の中に未だある。
この有り難さは、昨今の世情の中、身に染みる程に感じる。
ある環境下の人にとっては、二度とは目に出来ないものであろう。
私達には、すぐ其処に無くても、未だ現存し、見ようと思えば見られる、この風景を永遠に失くした多くの他国。
多分、数え切れない程、失っていっただろう。
元来、人は、ささやかなもので足りていたはずなのに、多くを求めすぎて、
それを上回る多くを失っていないか?
より価値アリ、無くせば二度と手に出来ない物を失ってはいないか?
「群青」のなかで表される悲しみは、
取り返しのつかない大切なものを失った者の悲しみであろう。
自らの意思とは関係なく、逆らえない力のもとで。
かつて、この国の多くの若い魂はこの様に奪われ、国土は痛々しく破壊され、未曾有に汚された。
それを忘れてはならない。
先達がのこした、この美しい国を在るが儘に将来の子たちに残さなくてはならない。