タイトルを、きちんと見てなかったのです。
するりと…、
前のご投稿と勘違いをして私の前をすりぬけてしまいました。
この不思議な感覚は何なのでしょう? 物語りの中の世界なのか。
それとも、現実なのか。
前のご投稿である短編小説「恋文」は、
あなた様の私小説かと思っていました。
今も、そう思う気持はどこかに持続したままで…
であるならば、これは互いに想いを抱き続けてきた現実の男性と女性の交わす
お手紙であり、
特に女性の恋情の方が、とても強くあるかに思えます。
というよりは、お便りを待ち望んで、
悶々としていたかに思える。
いえいえ、これは記してある様に、短編小説なのですよね。
山村さんの文章が、時としてリアリティが、画像で見せるが如くの為、不思議幻想世界に吸い込まれた様です。
女性は家族に恵まれなかった、は気の毒な気もするけれど、選んだ事でもある。
この女性と私の生き方は真逆にも思え、多分、控えめで、嫋やかな、はんなりした品格のある御婦人なのでしょうか?
私はと言えば、欲するものには躊躇なく意思表示もするし手を伸ばす。
望まない生き方なら、死力を尽くして押しのけ、屈するのは拒む。
時に転び怪我もするし、相手を傷つける事も有ったはずだけれど、
こんな生き方が私であり、ほかには成り得ないのは私の性根。
故にご投稿のような内容は私には合致しないけれど、それでも、
文学や映画は、自ら体験し得ない世界をも、仮想し体験したかの錯覚も得られるから便利とも言える。
文豪同士の書簡のやりとりを纏めたのは
読んだ事があるけれど、
恋文のやりとりを文学にしたものは、初めてです。
他人の秘めた密月の様を盗み見したみたいな、ドキドキする感覚でした。