
百合根の煮浸しです。
ママの好きな料理で、ママから教わり、年に数回(少な過ぎで反省)作り、ママにお供えして、お下がりを食べますが、私も大好きです。
百合根はなるべく1片ずつ欠けない様に剥がしながら水に入れていき、傷の有る黒ずんだりした部分は包丁で剥き取りながらキレイにしてみずの中にいれます。
鍋に水とアク留めの酢をチョッピリ加えて火にかけ沸くのを待つ間に百合根を大きさ別に三つ位に分けます。
沸騰したら大きいのから入れ、間を置いて次のを入れ、1番ちいさいのを入れたら透き通るまで多分10秒もかからず、ざるにあげます。
すぐに下記の調味した液の酢落としに取り分けた中に入れ軽くすすいでザルにあげ、水切りしたら調味液に浸る様に入れて1時間〜 おけば出来上り。
調味液。
酒を少量、鍋に入れて沸騰させてアルコール分を飛ばし、水を入れて、七福というメーカーの白だしを少し入れて極、薄く味をつけ沸騰させてさまします。少し酢落し用にとりわけておきます。
私は生涯に一度だけ、数時間ですが、人に殺意をおぼえた事が有ります。
鬱の苦しさから逃れる為に何かをしようとし、やはり、私には看護の世界しか思い浮かばず3ヶ月のつもりで老人患者や寝たきりの患者の病院に入職しました。重労働だと判っていたから選びました。
面接時には3ヶ月後からは当直もしなくては、とか言われましたが、全くその気は無いのに(その時には辞めるんだ)の気持ちで、私にとってはリハビリだから、入れば、こっちのもの、との思いでした。
働き出したらヤッパ好きな世界。やりがいも。 3ヶ月に満ちる前、当直を勤務表に入れる話が出て、アレコレ嘘ついて辞意を伝えたら、引き止められ、更に上からも…でとうとう1年半も働いてしまって。
そんな中、ママと同居する弟からママが余命3ヶ月の病で入院と連絡がきた。
上司に伝えると、すぐ休職して良いと言われたが
看護師を志した初めの時に、
ママに、親の死に目にも会えない覚悟をしなくてはならない、と言われていた。
急に休むと同僚に大きな負担を強いる事になる。 バカ正直に、勤務表に入った分までは勤務します、と意地を張り(本当にバカ)20日前後と曖昧な記憶だが、勤務を続け、終えると入院していた大学病院まで毎日、車で会いに行く。
帰宅してから翌日ママに食べさせたい料理を作り、出勤時に持参し仕事が終わったら持って会いに行く。
ある日、百合根の煮浸しを作って病院に向かっていた。密閉容器なんて味気ないから、きちんと小鉢に入れて、助手席に倒さない様に紙箱にも入れて固定していた。
信号が変わり発信したら、突然
左側から信号の変わりめに無理に左折しようとした車が突っ込んで来て
私は急ブレーキを踏み、百合根の容器は前方に飛び中身は散乱してしまった。
4〜50代の男性ドライバーだったが、私の前の路線に入った訳だから目の前を走っている。
ママが、あと何回も食べられないのに・・・と思うと、ぶっ殺したい。涙が止まらず悔しく…。
殺したい位に憎かった。
今でもソイツの一瞬みえた顔は覚えてる。
今でも、あのヤロー!とか、思い出すと腹が立つ。
その時に働いた給与はママの入院費の全てをまかなえ、それは良かったと思います。
結局、ママが、他界してすぐ退職し、暫く香港にいました。