芥川龍之介「悪魔」を聴いた | おひろのブログ・libe

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思い付くままに…



芥川龍之介はいつもコワイ感じの写真が使われるけれど、
こんなにイケメンって知っていました?

彼にはキリシタン物と呼ばれる作品が16作品あり「悪魔」も、その一つだそうです。

ばてれん・ウルガンは他の人々には見えないものまで見え、人間を誘惑する地獄の悪魔の姿をも、ハッキリ見える。
ウルガンは信長に自分が京都の街で見かけた悪魔の様子を語る。  信長が美しい姫君を我が物に…のくだりもある
  … … …
前回の「悪魔と煙草」も
今回の話に登場する悪魔も芥川龍之介の作品の悪魔は何故か魅力的で友人になりたい程、ユーモラスだったりカワイかったりする。
今回の悪魔は大変に美しくも哀しい。
一番に惹かれたくだりは、ウルガンが目にした時に、この珠の様に美しい顔を持つ悪魔は姫君の輿の上でうなだれ思い悩んでいて、不審に思い厳しく仔細を尋ねた時の悪魔の答えた言葉だった。
「私はあの姫君を堕落させよう、と思いました。それと同時に堕落させたくないとも思いました」
その後にも面々と、悪魔は自分の運命を… …
堕落させたくない者ほど、堕落させなくては成らない自分の定めを、美しい顔を悲しみの涙で濡らしながらウルガンに語る。天国の光と地獄の闇が同居する矛盾の自分は淋しくてならず哀れんでほしい

アッと言う間に聞き終わる、短編の中でも特に短い物語は、聴き終わってから、思った以上の余韻が残り、消失しない。
悪魔の姿の説明もあるが頭に残ると悪夢にうなされてはならないので記さない。