大したお供えも出来ず、コロナで、お上人様に読経に来てもらう事も出来ずに、すぐ送り火が迫っている。宗派は違うけれど、先日2回に分けて記した「ま哀しき恋」の当事者の暁烏敏(あけがらすまさ)は真宗大谷派の天辺に上り詰めた名僧としては名高い。 彼の言葉に「十億の人に十億の母あらむも、わが母にまさる母ありなむや」がある。 誰もが同じ気持ちに違いない。 私が、ママが旅立った後に何かにつけてすぐに涙が出て、目にした友人が美しい団扇の形のものに書いてくれた言葉「母はなきひとにあらず。思う人の心にいる」 は今も大切にしている。 昔、寺尾関が現役の頃に、彼をマザコンとなじる人がいた。「アア、私はマザコンだ。マザコンのどこが悪い?!」と言った事が有る。その通り!!!!! 私は一年に2〜3回は上京してショッピングや食べ歩きを嬉しむ事を15年以上たのしんだ。 上京に際し、母の望む物を尋ねるが、いつも何も望まない為、横浜の点心類や大丸デパートで適当に選ぶ事が多かった。2度だけ望む事を言われたのは、巣鴨の御札が欲しい(極うすい紙で出来ていて飲み込むと体の悪い所を取り省き身代わりになってくれるとか… )もう1箇所は靖国神社に参ってほしい、という事だった。若くして亡くなられた兵隊さんの写真や遺書が多く展示されていて、正直なところ痛々しく、見るにはかなり勇気が必要だった。彼らの遺書は殆どが母親宛てだった。母は誰にとっても一番の存在なんだな、と思う。 母の代わりに参るのではなく、私に一度だけで良いから見ておきなさい、と言う事だったらしい。 余談だが伝書鳩や軍用犬や軍馬の慰霊像もあり、動物オタクの私は行ったきり殆どが日本に帰って来られなかった動物たちが可愛そうで泣きそうだった。