ソクラテスは「生きているだけでは人生の意味がない。」という言葉を残しましたが、多くの人が人生を「自動化して」生きており、「昨日うまくいかなかったことを繰り返す毎日」を送っています。不幸を訴える人の多くは自分の行動が自分自身やまわりの人、そして自分の幸福にどう影響しているかを考えることをやめてしまっているのです。このような日常のサイクルに一度入り込むとなかなか出ることができず、ゆえに意味の持てる人生を歩むのが難しくなります。

うつの症状に効果的な治療法は存在しますが、薬が幸せをもたらすわけではないのです。幸福とは「絶望がないこと。」ではなく、「自分の人生には意味と喜びを持てる。」と人生を肯定的に捉えることなのです。

私たちは通常、自分に値するものではなく、自分が予想するものを受け取っています。不幸を語る人の多くは自分の気分がどうすればよくなるかを理解しています。彼らが有意義な日常習慣を行わないのは、「その価値を無視している。」のではなく、「実行に移すためのモチベーションが湧かない。」ためです。

だから、このような人々は、モチベーションを自ら上げることなく、気分がよくなるのを、ただ待っているだけなのです。なにもしなければ、モチベーションは上がらないのです。

これらをふまえ、幸福の3つの要素として、「すべき仕事」「愛する人」「楽しみなこと」があげられます。すべき仕事をし、良好な人間関係を保ち、楽しみな約束がある時、私たちは不幸を感じるのは難しい…。この時の「仕事」は、有償・無償を問わず、自分に意味を与えるあらゆるものです。