人生において、ある意味では習慣がすべてである。

というのは、生命あるものは形を持っており、

生命とは形であるということができる。

しかるに、習慣はそれによって行為に形ができてくるものである。

 

普通に習慣は同じ行為の繰り返しによって生ずると考えられている。

けれども、厳密にいうと人間の行為において全く同一のものはないであろう。

個々の行為には常に偶然的なところがある。

我々の行為は偶然的な、自由なものである故に習慣も作られるのである。

 

模倣と習慣とはある意味において相反するものであり、

ある意味においてひとつのものである。

模倣は特に外部のもの、新しいものの模倣として流行の原因であるといわれる。

流行に対して習慣は、伝統的なものであり、習慣を破るものは流行である。

流行よりも容易に習慣を破り得るものはないであろう。

 

『人生論ノート』(三木清)「習慣について」

 

人生は習慣によって創られる。

私はそのように思うわけで、

習慣のことを考える時に、

三木清さんの「習慣について」の文章を参考にさせていただいています。

しかし、書いていることが難しく、

当初、私はなんとなくしか理解できませんでした。

しかし、最近はなんとなく言わんとすることを感じることができるようになってきました。

 

習慣によって行為に形ができてくる…。

生命あるものは形を持っており、

生命とは形であるということができる。

「人生は習慣によって創られる。」