いつも残念に思うことがある。

それは、仕事において、部下の苦手なことを克服させて成果を導き出そうと努力している指導者のことだ。

そのような指導者は、人は、一生懸命努力さえすればだれでも望む姿になれると信じている。

研修を受けさせ、部下に能力や技能を身につけさようとする。つまり、部下の足りないところを補うことにエネルギーを注いでいる。

大きな会社になれば、毎年同じ研修を繰り返すのだが、一向に成果はでない。

本当に残念なことだ。

成果を出すことでなく、研修を受けさせることで「自分たちは努力しているんですが、部下の学習能力がなくて困っているんですよ。」と言い訳をするために研修を行なっているようである。


そして、最後はこう言うのだ。「部下の能力がないから、今度人事異動で2~3人入れ替えを人事部に打診してみようかな?」と…。



「どれだけ部下と向き合うことから逃げているんだ!」

優れた指導者は、こう考えている。


・人はそんなに変わりようがない

・人に足りないものを植えつけようとしても時間の無駄である

・その人の中にあるものを引き出す努力をしろ


この考え方が、すぐれた指導者には備わっている。

部下にどのように接するか、部下のために何をしているか、そのすべてがこの考え方に反映している。

特に大切なのは「その人の中にあるものを引き出す努力をしろ!」である。

これが、すぐれた指導者として成功するための基本なのだ。


よ~くまわりを観察してみてください。

部下の苦手なことを克服させようとしている人ばかりですから。