甘い毒と苦い愛 -6ページ目

甘い毒と苦い愛

恋人のように何年たっても互いを思い合う結婚....何人の人しているだろう
結婚と恋、罪と本音… 


23時の電話にあわてて出る。


”先ほどはすみません。 おれ、あんなこと言うべきじゃなかったと思って。 気にしないで下さいね。本当に”

と、外から電話をしているのか交差点の歩道の音がする。


”ううん、大丈夫ですよ”と答える自分の声が、眠たげに聞こえる。


”寝てましたか?” 


”ええ、大丈夫です。”


”本当に、    あの気にしないで。 美山さんだから話しても大丈夫かと思って。 でもおれあんな事は言わないほうがいいですよね。 すみません”


何度も、同じ事をいう彼の声は少し焦っているのが伝わる。


”大丈夫。本当に。ありがとうございます。” 


となりで寝ている息子が、起きてしまうからと私は声を静める。


”ほんと、すみません。じゃあ、また”


”はい、また”と携帯をきった。


彼の施術は少し不思議な感じだ。 私は色々な影響を受けやすい体質だと言う。 

霊的にも敏感なはずらしい。

施術中にそんな話をしていて、彼が 

”おれ、美山さんが心配ですよ。 まじで。こういう仕事って多かれ少なかれ人の気を受けるから”

と言う。


その日の夜に、かけてきたこの電話。


施術をする側とされる側で、特になんの関係もないのに、どことなく不器用なでもまじめな彼の存在は自分の

中でも心地よくなっている。


そばにいても苦にならない、心地いいのだ。


勝手な思い過ごしかもしれない。

でも、彼も似たような気持ちを持っている気がする



”もしもし、来週の予約お願いします”

2日後、私が電話をする


”あ、この間はすみません。”  


次の予約は、夜9時。 いつもは昼間を指定する彼。 私も夜、最後のクライアントで会いたい。


繋がっているのか… 2つの心