久しぶりの記事である。彼の初月忌もすっ飛ばしてしまった。自分の人生を立て直すのに忙しかった、と言えば聞こえが良い。

 

先ず日本から友達が来た。彼がいなくなってからずっと相談相手になってくれた友達だ。ここまで来てくれると言うのはとてもありがたい。しかし友達が着陸する直前に、就職を打診していた会社から連絡が入り、面接の際に色々と大変な量の書類が必要な事を告げられる。これが面接の三日前。

 

今思えば、友達の滞在終了翌日に面接をスケジュールしたのがよくなかった。しかし、あちらとこちらの認識もまた少し違っていた。あちらは即戦力を探していたのである。私は下っ端の適当な仕事で、ビザが貰えれば儲け物、と思ってた。

 

しかし面接で恥をかく訳にはいかないので、友達には平謝りし、週末を潰して書類を用意した。幸いしたのが、友達が一人で旅行できるタイプの人間だった事である。こちらに不満を全く見せず、楽しんでくれた。次会えたら、すべて面倒を見る次第である。

 

面接はうまくいき、今日までに3回、唯の訪問を含めて4回の面接をこなした。もはや就職前提でのミーティングになっている。現地採用にしては待遇も悪くなく、飼い犬も日中だけのハウスキーパーを雇えば、どうにかなるかもしれない。ほとんどここまで学生で過ごしてきた私にとって、かなり大きな責任がかかってくるが、これを乗り切れば将来が開ける。

これから半年が正念場であり、彼と言う大きな存在に近づく第一歩である。やりきる。必要なのは着想と綿密な計画だ。研修期間も無駄にせず、情報収集と計画に努力したい。

 

そして、今まで出来なかったGrindr, Scruff, Tinder等の出会い系アプリに手を出した。しかし7年間カジュアルセックスなど考えもしなかったので、此れ等のアプリで、いきなりやる為に会うなどなかなか勇気が出ない。その中、話した感触が良かった二人と会った。

一人目は英語が流暢な同い年のタイ人で、それなりに可愛いがタイプではない。これは普通に友達として仲良くなった。

 

もう一人はフランス人である。10歳年上で、職種が彼と一緒である。これはないな、と思いつつも、会話が弾んだので会ってみた。バーでコーラを飲みながら1時間半話しただけの一回目のデート。これほど楽しい会話はないのでは、と言うほど気が合った。これが木曜日。

金曜日にまた晩飯に会う。しっかりと意識したデートだ。彼のアパートで待ち合わせ、近くの日本食屋で軽く寿司を食べた後、フランス人のアパートに戻り、シャイニングを見た。デートとしての映画のチョイスは最悪であるが、見たかったのである。この時はまだ警戒してたので、セックスする気はない、と伝えて少し妙な空気になったが、なし崩しに結局そうなってしまった(笑)。そのまま泊まる。この夜、私の状況を話した。

土曜日朝、ホテルに帰る。そしてメッセージし続けて、結局昼飯にまた会った。その後用事で少し出たが、晩飯もまた一緒だ。

日曜日も夜一緒にいた。

 

つまりお互い強烈に惹かれていたのである。ここで問題が山積みなのは分かる。まだ彼が亡くなって一ヶ月、客観的に見てあまりに倫理に反している。

そして私が今感情的に真面とは思えない。今誰かと付き合うなど考えられないし、彼の事を利用しているだけかもしれなく、深入りするのは危険だと自分で感じる。

しかしそれでもこのフランス人のアパートで何気なくゲームをしている時間が、ここ数ヶ月で一番落ち着いた時間だった。受け入れられたのを感じ、癒された。

 

月曜は少し距離が置かれたのを感じた。距離が置かれた事によって逆に自分の気持ちが予想より傾いている事に気づかされる。

 

そして今日、付き合うとかそういう風にはならない事を言い渡された。

 

理性的に考えて全く妥当である。私の状況が今すぐ深い関係になる事を許さないのは明白である。そして今進めている仕事が決まれば、バンコクを出る事になる。明白な逆境ではないが、その分自分の気持ちが見極めにくく、先の事が予想出来ない。しかしこのフランス人が感情に流されずにこう言う判断が下せるのも、良い男の証拠だろう。

 

哀しい。短い時間だったがしっかり悲しい。出来かけた自分の居場所がなくなるのが一番きついのだと思う。しかしそれは自分の損得だけを考えている。また、こんな事を悲しがっていても罪悪感が募る。

 

 

 

無くした物が惜しいからこう言う感情になるのだろうか。しかし一番いて欲しかった人は死んだのだ。

 

今必要なのはワーカホリックに徹することである。