得るもの失うもの
「好きだよ」のわかりきった一言を聞いたら、余計に虚しくなった。
そりゃ、嫌いじゃないよね、そんなことわかってる。それなのに、言わせるように仕向けた自分がいて、実際に言わせたことに対して「やった!」となにか勘違いの勝った余韻でしばらくは気分を高揚できる。
人に好かれるのそんなに難しいことじゃない。好かれること自体に意味はないから。
その一言のために、ただのくだらないわかりきった高揚感に瞬間的に浸りたいが為に、今後を危険にさらした。
そんな価値はなかった。
予定を崩してるのは結局自分なんだ。
この部屋を失うときは思ったより早く来るのかもしれない。怖くないと言ったら嘘になるけど、それも半分はわかりきっていたから。決断とは半分の諦めを覚悟することだよな。
あいつに全権を握らせて、好き勝手にやらせてしませばいい。
どうせ破綻する人生なら、私が全面に関与していなくてもいいだろう。交代してしまいたいのに、薬が足りない。