2011年 最後の日に | ウタノオト

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言葉の記憶

2011年最後の日になりました。

いつもの大晦日なら

“今年はいい年だったーまた来年もよろしくー”
って書いてたと思います。


でも今年は

このブログを始めた事も含めて

これをまたスタート地点にしたいと思い

今年感じた事

今感じてる事を

残したいと思います。





2011・3・11

私の大好きな故郷が

この日を境に一変した。

立っている事すらもできない

ただしゃがんでいる事しかできない

そんな生まれて初めて体験した揺れから

いつもなら
暖かい家庭の灯りであふれているはずの

見た事ない真っ暗な町



2日後にやっと電気が通って

そこで初めて津波の事を知った。

でも全然信じられなかった。

こんなにも簡単に家やビルや車が

そして人が

本当に全てが流されていた。



私は本当に幸運で

家も友達もそして家族も

失ったものは無かった。

けど,津波は本当に沢山の命を奪い

沢山の幸せを流してしまった。



本当に人間は自然に生かされていて

自然の巨大な力には太刀打ちできない

だけど

それでも人は
故郷を取り戻そうと動いた。

そして今も動き続けている。



少しずつではあるけれど

元の生活がちょっとずつ戻りつつある。


しかし

沢山の人の心にはまだ

大きな傷がくっきりと残っているように感じる。

あの時は

音楽がすっぽりと
生活から消えてしまったけど

今,音楽はとても必要とされているのではないかと思う。

むしろ音楽の力があったからこそ

あの日から今日までのパワーを

もつ事が出来た人も沢山いると思う。



私は去年,

もう1度音楽をやりたい

と思い通っていた大学を中退した。

新しい学校で思う存分音楽をやろうと

2回目の大学入学式を楽しみにしていたが

実際は罪悪感でいっぱいだった。

歌うことを考えられなかった

それでも

また歌いたいと思わせてくれたのも

歌だった。



音楽家として

楽器がうまいとか歌がうまいとか

確かにプロとして

技術はないがしろにできないし

追及し続けなければならないけど

人の心に響く音楽は

最後は想いだと思う。

どれだけその想いを
音楽を通して表現できるか。

私が今年感じたことです。

これから変わるかも知れないし

変わらないかもしれない。

でも今はそう思います。



もう少しであの日から1年になってしまいます。

本当に悲しく,大変な1年でした。

でも今まで生きてきた中で

1番学んだ1年でもありました。

この1年はこれからも私の中で

特別な1年にであり続けると思います。



2012年は

どうか悲しみよりも

一つでも多くの幸せがありますように。



ありがとう。2011年