前回、ほぼ最後まで書いたのにスマホの操作が悪くて全て消えてしまった『未来への言葉展』の感想。


本当に失意のどん底に落ちたんだけど(だって書くのに4時間もかかったし)、やっぱり書きます。二度と同じものにはならないけど、あの時の気持ちを忘れたくないから。少しでも覚えているうちに、少しでも。


長くてネタバレです。

自分のために書いてるから、思い違い勘違い間違いなど、そこはお許しください。


では、再び始まりから。


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まずは出だしから行きましょう。

JR中央特快で降り立ったのは立川駅(そっからかい!)。なんともお洒落な街並み。北口から多摩モノレールを右に昭和記念公園を左手に、プロムナードを進みます。車の入らない幅広い遊歩道。手入の行き届いた植込みと、安息のためのベンチがあります。立ち並ぶ近代的な建築とお洒落な店舗。

地図読みは結構得意です。前日に頭に入れた方向と距離感、ランドマークと照らし合わせながら進みます。このままプロムナードを行けば到着するんだろうけど頭の地図と答え合わせしたくて、途中で左折。大通りに出て公園とその先に見える山並みを見ながら歩きます。この日は3月並みの気温で日差しも暖か。大通りはプロムナードと比べれば、駐車場の入口などどちらかと言えば裏通り。暫く歩いて(そろそろかな)と右折し階段でひと山乗り越すとドンピシャリ。女性たちが屯する会場前に到着。(ふふん)と勝手に1人で得意気になりながら列に並びます。開場15分ほど前に到着したけど、それ程並んでません。この日は一般受付でも入れるぐらいの混み具合だったからかな。


受付でスマホの電子チケットを見せると、画面に電子スタンプのようなものを押してくれます。真っ白で無機質だった画面が素敵なチケットに大変身。さすがお洒落〜。


会場にはないので、まずはお手洗い。その後入口に並びます。ロッカーもあります。並ぶと言っても殆ど待ちません。

入口をくぐれば、まずは翔様のビデオがお出迎え。みんな立ち止まって真剣な眼差しで見ています。他の展覧会みたいに主催者の挨拶はスルー、なんて人は誰もいません。


そして壁一面のオトノハの短冊。できるだけ沢山、と目の高さの記事をどんどん読んでいきます。オトノハ歴長くないので当時の番組の事など知らない話が沢山書いてあるけど、不思議と伝わる。後から情報を得たから分かるって感じじゃなくて、何を考えたか、何を感じたか、を書いてくれてるから伝わるのでしょう。そして、行間の広さ狭さですら感情表現。ああ凄い、と感嘆。

短冊を見上げながら、全部、全部読みたい、この短冊全部折りたたんで本にしてください! と叫びたくなります。浸りたいんです。櫻井翔の表現に。1日じゃ読み切れないし、上の方は脚立必要だし、下の方は寝そべらないと読めないし。

短冊の向いには厳選されたオトノハがパネルになっていて、みんな一言一句逃さぬよう真剣な眼差しで見つめています。読者には事欠かない。いつか、どうか、短冊の出版お待ちしております。


さて、次はラップコーナーです。受付で貰った言葉カードをかざすと画面の上から言葉が落ちてきて、5つ溜まると翔様がその言葉でラップをしてくれるというもの。でもね、翔様ファンの皆さん、大人しくて遠慮がち。周りに集まってるんだけど、読取り機も3つぐらいあるんだけど、1つの機械におずおずと誰か来て読み取らせて、ちょっとおいて次の人が来て、って感じで並んだり争ったり全然なし。私も折角だからと読み込ませに行ったんだけど、周りの人の注目の中(別に私なぞ見ちゃいないだろうが)1人で読見込ませてる数秒がちょっと恥ずかしかったです。

たまに変な言葉が落ちてきて(松明たいまつ、とか)それが翔様の声でラップになると、周りで見てる娘たちが顔を見合わせてくすくす笑う。なんか奥ゆかしくて可愛い。さすが翔様ファン。


次は打って変わって、報道のブース。戦争と震災を伝え続けてきた翔様。戦争について寄稿した雑誌が置いてあって、真剣に食い入るように読んでる人もいます。雑誌は持っていたので、ガラスケースの2枚の写真を見ます。翔様のご親族が乗っていた戦艦とそれが撃沈される瞬間。翔様も書いていたけど、米軍はここまで詳細に記録を残していたんだ、と圧倒的な力の差を感じます。そして沈みゆく船の写真に胸が痛みます。

ビデオコーナーでは戦争と震災を取材した際のビデオが流れています。合間合間に翔様の言葉が挿まれ、伝え続ける事の覚悟を感じます。自分だから伝えられること、伝えられる人がいる。だから続ける、という覚悟。

ふと考えます。私たちにだって伝えられる人がいるじゃないか。家族や親しい友人という。

子どもの頃、祖母がよく戦争の話をしていました。語るというよりは「あの時は食べるものもなくて」というご近所さんや親戚らとの会話なのですが、子どもの自分は(また戦争の話が始まった)ぐらいにしか思っていなかったです。でも今はあの時の祖母に感謝。忘れ去られていこうとする出来事を、押しつけではなく私に植え付けておいてくれたから。

だから私も息子らに(また翔様かよ)と思われても、戦争や震災の報道はさり気なく、息子がいる前で見ようと思っています。それが伝える、ということなのだと。


さて、固くなってしまったところでシャワーでも浴びに参りましょう。お待ちかねのサクラップサウナです。入れ替え制だから少し混んでます。でも数分待ちだけど。丸く囲われたスペース。上から横から後ろから音が降り注ぎます。思わずリズムに体が乗っちゃう人も。ラップの間は正面のモニターの色が変化するだけだったのですが、ふと間があくと翔様のお写真。と同時にピアノの音色〜!

これ翔様のピアノだよね。この音、この弾き方、絶対にそうだよね!! と一人でドキドキ。5✕20の時に一緒に歌ったことを思い出して涙出そうになります(曲違うけど)。


ピアノでサウナのクールダウンができたら『好きのあいうえお』のコーナー。翔様があいうえお順に好きなモノを並べただけ。かと思いきや! クリハラタケシさんのイラスト(版画かな?)の色彩が凄く鮮やかで素敵。そして翔様の好きなモノ。絵本にも書いてあったけど、好きなものって思い出と結びついてる。だからここにはただ好きなモノが並んでるんじゃなくて、これは翔様の思い出の宝箱かと。「うた」とか「かいまき」とか、ただの単語なのに一緒に共感出来ました。勿論絵本はこの時点で購入決定!!


次には取材の時に使ったプレスカードや携帯電話、取材ノートやリリックのメモ、見ていたビデオなどの展示です。携帯は何個も同じものがあって、使い勝手が変わると追いつかないんだろうな、忙しすぎて、と思わせます。プレスカードは写真の移り変わりで翔様の成長が見られます(親か!)。中には俗に言うゴリゴリのアー写もあって、写真撮る暇もなかったのかな、なんて。どれも写真の目が綺麗で、期待とやる気に満ち溢れた感ありです。

そしてノート。お願いだからもっとページ捲らせて下さい! 生文字に触れさせて下さい!(無理か)と訴えたい。

わずか1ページに詰め込まれた情報、そしてその時の自分の感情や感想。凄い、メモってこうやって取るんだ。と感嘆しながら眺めます。私の仕事ノートは言われたことの単語が乱雑に並んでて、半分ぐらいは後で判読ができません。

リリックのほうもまだ下書き段階なのか、知ってる歌詞と少し違うような。それでもセンテンスの横にマ(多分松本)とかア(多分相葉)とか歌い分けが入ってる。作ってる当初から決めてあったのか、このノートの切れ端で打ち合わせして決めたのか分からないけど、わからないから色々想像しちゃう。それもまた楽し。

置いてあったビデオはよく分からなかったんで、すみません飛ばします。よく聞いてた曲? も一回前回買った図録で勉強し直そう。


次に行くと再び翔様のお言葉パネル。ちょっと狭いところに貼ってあって、みんな一言一句逃すまいとするから山のような人だかり。僅かな隙を縫って足元のパネルを読んだり、人の頭を左右に避けながら読んでみたり。でも、誰一人文句も言わずルールを破ることなく、読み終われば即座に離脱。同じ翔様ファンとして会場にいる相手に対する、思いやりやリスペクトを感じました。


そして『ありがとうの交換。的な。』のコーナー。作画のAYAKA FUKANOさんとの絵本作成までのエピソードがラップの掛け合い(とまではいかないが)的に絵巻になって登場。か、可愛い。イラストも可愛いけど、出来上がるまでの過程が愛おしい。全く真っ更な中で数人の候補から作画の人を選んで、作画さんは自分がその人に選ばれたことに驚きを感じ、どんな形でどんな内容でどんな事を本にするのか、それを一つひとつ決めていく。言葉を先に作って絵を合わすか、絵を見て言葉を紡ぐか、並列で行うか。そんなところからの話し合い。いいな〜、物を作るっていいな〜。と単なる事務員リーマンの自分には憧れの世界。そして絵巻のオチ?はAYAKA FUKANOさんのTシャツを既に翔様が持っていたこと。やっぱりどこか結ぶ縁があったんでしょうね。

そして、絵本の一部を動画で見られるコーナー。都知事選の時のエピソードが映し出されます。絵本を読んでも仲間のありがたさが心に滲みたけど、一つひとつ語るように映し出される映像は、また違う感慨に浸れます。映画やコンサートでは最後まで座って感傷に浸っていたいタイプなんだけど、ここでも似たような感覚。でも、次の人が待ってるから早めに席開けないと。

出口付近には小さなイラストが数枚飾ってあって、イラストレーターさんの生の筆使いを感じられます。


最後はお写真解禁のパネルコーナー。頑張ってパネルを撮ってみたけど、なんか手ぶれで写真ヘタ。ここでも遠慮がちの翔様ファン(今頃気付いた。翔様ファンは翔担と書けば良かったんだ。ま、いいか。もう最後だし)はパネルの横に陣取って写真を撮ったりせず、ただただパネルだけを写してました。


さあて、展示は全て見終えて待望のグッズコーナー! 買うものは決めてあったんだけど、好きのあいうえおの絵本は先ほどの展示見て急遽購入決定! あとは硬表紙のノート。前回もノート2冊買っちゃったなあ、ノート好きなんだよなあ、と思いつつまた買う。

ノートって真っ白なページに何かを書き出したら、自分が何者かになれる気がしますよね(しないかな)。実際には何者にもなれず、真っ白なノートが次々に溜まって行くだけなんですが。

そして、衝動買いはウオーターボトル。ハイキングで使おう!  って買ったけど中々のいいお値段。この間100円ショップで似たようなの買ったよな〜、というのは考えない。で、自宅に帰って洗おうとしてふと思います。これ山に持ってったら、肝心のロゴのところ擦れて消えちゃわないか!?

と。もう、勿体なくて使えなくなりました。だってロゴが消えたらただのボトルになってしまう。せっかく実用的って思って買ったのに。どなたかうまい方法教えて下さい。

ノート、絵本、ボトルの3点で7,000円弱。ブラックカードで爆買いの方もいたけど、若い娘さんたちはキーホルダーとかポーチとか厳選に厳選を重ねた1品を買ってる感じです(それとも通販で爆買いしてるのか?)。キーホルダー持ってた女の子がレジ横の缶バッチを買おうかどうしようか、友達とひたすら悩んでました。


買い物を終えたらカフェです。待望のロールケーキ。昨日食べたフレンチのランチより高い、などと考えてはいけません。ロールケーキは厚くてクリームたっぷりに更に追いクリームしてあるし、可愛い翔様が描かれたクッキー乗ってるし。そして売り場の方が、ずーと人が途絶えなくて働きっぱなしなのに笑顔でとっても丁寧。感謝感激雨嵐。飲み物はカフェオレ、紅茶、リンゴジュースの3点からチョイス。翔様といえばカフェオレなのでしょうが、ミルクが苦手。甘い飲み物も苦手。無難に紅茶にしておきます。建物の中には飲食スペースはないけれど、目の前の広場には暖房付きのベンチがあって、席を選べば冬でも寒くありません。お一人様の私は焼肉屋を眺めるお一人様席へ。世間に背を向けロールケーキと向き合う時間は至福であります。写真をパチパチ。ケーキはクリームが崩れてしまいそうで持ち帰るには厳しいです。その場でぱくり。美味し〜、美味し〜、美味し〜。そしてお腹いっぱいに。夕飯いらないかもと思うぐらい(しっかり食べたけど)。


行く前は(仲間もいないし一人は恥ずかしいな)とか思っていたのですが、一人は天国です。結構年齢層もばらばらで別に誰もこちらのことなど見ちゃいません。自分の好きなところに好きなだけ居られるし、ひとつひとつをとても深く感じることができます。


ロールケーキを食べ終わって、暮れていく空を眺めながら帰り支度。するとプロムナードがイルミネーションのトンネルになっていました。最後までお洒落だな立川!!


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一度全て消してしまって落ち込んでいましたが、2度目書き切ることが出来ました! 書き直ししてる時、書いたことを思い出そう思い出そうって嫌になっちゃったんだけど、そのうち書いた内容忘れちゃって、途中からは新たな気持ちで書き直すことが出来ました。そうしたら楽しいこと楽しいこと。だって書くことで思い出すのが楽しいのに、それを2回も味わえたのです。


そして、もし平日がまた休めて、一般券が残っていたなら、もう一度行きたいな、ロールケーキ食べたいな。そんな風に思える展覧会でした。