さすがに、このままでは心身がもたない
ので、彼女に「必ずお墓参り行くから
ごめんやけど、ちょっとあっちの世界に
戻っといて~」と何度もお願いして
ようやく抜けた。
しかし、その後驚くほど色んな事があり
(全てが彼女のせいではないので書く
のは差し控えるが…)
ちょうど落ち着いた頃
彼女の死を教えてくれたお客さんから
メールを頂いた。
彼女の命日が5月中頃であった事と
墓地の名前と場所が書かれていた。
その日に時間を作って必ずお墓参り
に行く事を約束し、その時に彼女の
笑顔の様な向日葵をお供えする事に
したのだった。
また不思議なことに、その命日だけに
セッションの予約が入らなかったのは
きっとそういうことなのだろうと思った。
前々日に花屋さんに行ってみると
向日葵はまだ出ていないとのこと
だった。
このところの寒暖の差でうまく育って
おらず、いいのが市場に出回ってない
のだと花屋のご主人は言っていた。
それでも何故か、当日の朝。
花屋さんに並んでいる向日葵をイメージ
して、必ずあると思って花屋さんに出向く
と「ちょうど昨日からいいのが出てきたよ」
とバケツいっぱいの向日葵を指差した。
大切な人のお墓にお供えしたいのだと
伝え、段々に切り揃えた向日葵を6本
包んでもらった。
良い天気。神戸の湾岸線を東南に
ゆっくりと車を走らせながら昔の曲
をかけた。
学生時代に良く聞いた曲。
好きな曲って増えるばっかりで
減る事がないから、音楽データも
膨大になる。
未だに小学校5年生くらいから聞いてた
チープ・トリックやレインボー、MSG
ツェッペリン、ラウドネス、VOWWOW…
HR(ハードロック)/HM(へヴィメタル)の
歪んだ重低音から、ビル・エヴァンス
ビリー・ジョエルのジャズやポップスの
ピアノの音色。ジャニス・ジョプリンの
しゃがれた味のあるヴォーカル。
グラハム・ボネットの高音域の声。
ビリー・シーンの高速速弾きベース。
ジョン・ボーナムやコージー・パウエル
尊敬する樋口氏のすんげータム回し。
最近の曲はめっきりわからないけど
やっぱ昔の曲はいい。
ユーミンなら…「埠頭を渡る風」
プリプリなら…「ハイウェイ・スター」
槇原敬之なら…「Witch hazel」
オフコースなら…「秋の気配」
チューリップなら…「The Love Map Shop」
吉川晃司なら…「SAMURAI ROCK」
そんなことをぼんやり考えながら
墓地に到着した。
メールでもらったお墓の場所の
キーワードのおかげで、案外早く
見つけることが出来た。
墓標に水をかけ、御線香に火をつけ
約束の向日葵をお供えした。
普段、ここにいない事はうすうす
感じていたが、それでも僕が来ている
のは感じ取っているはず。
堂々と出てこないのは
僕の頭痛に気を使ってるのかな?
風が無いのにも関わらず、御線香
の異常な燃え方と煙の暴れ方を
見れば、そばにいるのは恐らく
間違いない。
静かな気持ちで手を合わせ、彼女
の冥福を祈った。
最後に…
彼女の気持ちに気付いていながら
気付かないフリをしていたお詫びと
別れの言葉を伝え、墓標を後にした。
ふと振り返った時
向日葵の黄色が揺れていた。
それはまるで…
満面の笑みで手を振る
ちびすけの様だった。
そんな彼女の命日…
5月17日が今年ももうすぐ
やってくる。
今世での修行を早々に終えて
元々いた魂の場所へ旅立った
彼女のその早すぎる死は…
例え、この世とあの世の「理」
(ことわり)を知っている僕でも
その寂しさは簡単に拭えるもの
ではないのである。
もし、小さな拘りや、プライドが
邪魔をして誰かに素直になれない
のなら…
些細な事で腹が立って、距離が
出来てしまったのなら…
大切な人に大切って照れくさくて
言えないのなら…
この世で逢えなくなる前に、ちゃんと
自分の気持ちは伝えた方がいい。
どんなに忙しくても、もう少しだけ
ちゃんと話を聞いてあげれば…
良かったなぁと今でも思う。
僕が霊界に戻ったら…とりあえず
奴の頭を撫でながら謝っとこう(笑)
今、あなたが「想い」を伝えたい人は
誰ですか?どんな「想い」を伝えたい
ですか?
もし、思い浮かんだら…
電話でも、メールでも、手紙でもいい
から伝えてみて下さい。
魂は永遠ですが、肉体はいつか
必ず滅ぶのですから…。
おわり













