政府・与党と金融庁は経営不振の
地域銀行や信用金庫・信用組合などに公的資金を資本注入する金融機能強化法を再導入する方針です。

その理由は、健全性の指標となっている
自己資本比率があてにならないためです。





企業倒産件数の増加や個人消費の低迷などで景気は後退しつつあります。

リーマン・ショックに伴う株価の下落による有価証券の減損処理、保有有価証券の含み益の減少なども財務内容の悪化要因になって、
東京証券取引所などに上場する銀行の業績の下方修正は30行を超えています。

主要行でもすでに新生銀行やあおぞら銀行、
住友信託銀行などが下方修正を発表。
これにメガバンクも加わりそうです。

かつて起きた日本の金融危機のとき、大手銀行に比べて
「地銀は健全」とされましたが、
今回の金融危機では、メガバンクより地銀や信金などが
「再編」の対象になりそうです。



銀行のビジネスモデルは集めた預金を、
企業や個人に貸し出して利ザヤを稼ぐほか、
貸し出し以外の資金を有価証券で運用するのが基本です。


いまの地銀や信金は、
地元地域の企業に貸し出し先がなく、
預金に占める貸出金の割合は60%程度。
信金や信組では50%を割り込んでいます。

つまり、預金の約半分を国債や社債、株式などで運用していて、
今回の金融危機ではその運用資金が焦げ付いてしまった可能性があというのです。


これに景気後退による企業倒産の影響で不良債権が急増しているようで、
かなり厳しい状況です。




○現状では情報開示が少ない

銀行の経営の健全化を示す指標には自己資本比率があります。
自己資本比率は、
国内基準が4%、
国際基準は8%を基準とし、
これを下回った場合に金融庁が早期是正措置を発動。


この命令に基づく増資が実行できないと、破たん認定されます。

自己資本比率が高いほど、貸倒リスクや株価の急落への備えがあることになります。

一般に、国内基準ではおおむね2倍の8%あれば、
ほぼ健全とみなされています。


 
08年3月末時点で、黄信号ともいえる6%台の地銀は
北都(秋田県)、きらやか(山形県)、
東和(群馬県)、熊本ファミリー(熊本県)、
豊和(大分県)の5行。


このうち北都銀行は、9月26日に荘内銀行(山形県)を引き受け先とした増資を行って自己資本比率を引き上げ、
また豊和銀行には金融機能強化法(旧法)に基づく公的資金が注入されています。
4~6%台の信金・信組は50を超えています。

自己資本比率の情報開示は、基本的に決算にあわせて年2回。
ところが、信金や信組の決算発表は1年に1度です。


自己資本比率を上げるため、
債権回収や「貸し渋り」に奔走したりして利用者が苦労しています。

その一方では自己資本比率が目減りしていることさえも知らされない。
こうした地銀や信金・信組などを救うために、
総額10兆円ともいわれる税金が投入されることになっています。


アメリカでは、金融機関の再編が進んでいますが、
どうやら日本でもその動きが出てきそうな気配です。