平成22年に開かれる
平城遷都1300年祭」をきっかけに、
奈良市内でホテルの“建設ラッシュ”が相次いでいます。



もともと宿泊施設が少ないため、ホテル側は「潜在需要は大きい」としており、
2年後の客室数は倍増する見込みです。


22年の完成に向けて高架化工事が進むJR奈良駅。
ホテル日航などが並ぶ周辺で、新たなホテル建設が始まっています。

JR西日本系の不動産会社が平成21年春、
地上10階建てのホテルと飲食店舗で構成する複合商業施設をオープンするほか、
その翌年には米国
マリオット・インターナショナルが11階建ての
「コートヤード・バイ・マリオット」を開業。
奈良初の外資系ホテルがお目見えする計画です。

これに先立って7月に東横インができ、
奈良県も県営プール跡地に300室規模の高級ホテルの誘致に積極的です。


予定通りに建設が進めば、2年後の奈良市内のホテルの客室数は19年3月末時点の
1664室から3000室近くまで急増する見通しです。

奈良県を訪れる観光客は年間約3500万人いるものの、
宿泊客はその10%程度にとどまっています。

年間観光客が5000万人近い京都市の宿泊客(26%程度)に比べ、はるかに少ないのです。

世界遺産の東大寺、興福寺、春日大社など観光資源に恵まれているにもかかわらず、
宿泊施設の少なさが「観光客を逃がす要因」と指摘されてきました。

進出を予定するホテル側は「1300年祭」を契機に踏み切るもようで、
関係者は「奈良は日本人の心のふるさと。
外国人を含め、滞在型の観光客が増えていい」と期待を寄せています。


ホテルラッシュをにらんだ動きも出始めていて、
近畿日本鉄道は4月、近鉄奈良駅近くに飲食店を軸にした商業施設
な・ら・ら」を開いたほか、
東大寺近くでは建設会社の尾田組が3月、旧社屋の跡地に飲食物販施設をオープン。

近鉄では、駐車場として活用する社有地に新たなホテル建設を検討しています。

「1300年祭」は公式キャラクターの
「せんとくん」に対抗する2つのキャラクターが登場するなど注目度が増す一方、
当初の300億円の事業費を100億円に縮小するなど、
観光客増加に弾みがつくか、多少、疑問もあります。


それでも、奈良が観光地として見直されていくことを期待しています。