照明器具などを手がける家電メーカーが、白熱電球から電球型蛍光灯への「転換」を進めています。


電球型蛍光灯の消費電力は白熱電球の5分の1以下で、寿命は約10倍と長いため、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の排出削減につながるためです。



日本電球工業会の伊藤清文会長(松下電器社長)は
「身近な照明を見直すだけで電気代の節約にもつながる」と消費者に利用を呼びかけているほか、6月に東京都が家庭からの
「白熱球一掃作戦」を打ち出すなど、国や自治体による取り組みも始まりました。



7月24、25両日に開催された大阪・天神祭。大阪市北区の大阪天満宮境内の提灯などに使われた白熱電球のうち、約800個が電球型蛍光灯に切り替わった。


電球型蛍光灯を奉納した松下電器によると、2日間で約10時間点灯したとして約126キログラムのCO2が削減された計算になるそうです。
 


一方、NECグループは9月末まで国内の従業員約11万人を対象にした「省エネ電球買い替えキャンペーン」を展開中。


事業所や工場などの売店で電球型蛍光灯のコーナーを開設して買い替えを促しています。


1万個を買い替えれば、年間で358トンのCO2排出が削減されると試算し、同社は「まず従業員とその家族に環境意識を持ってもらいたい」と強調しています。


                 

日本電球工業会によると、家庭で消費される電力量を製品別の割合でみると、照明器具は冷蔵庫と同じ16・1%。エアコン(25・2%)に次いで多く、テレビ(9・9%)を上回ります。


 
このデータをもとに松下電器が試算したところ、全国の約4700万世帯で白熱電球6個を電球型蛍光灯に交換し、通常の丸形蛍光灯4個も省エネタイプに取り換えたと仮定した場合、1年間で約123億キロワット時の電力削減につながります。


 
これを電気代に換算すると約2700億円の節約になり、約3億3000万本のスギの木が1年間に吸収するのと同等の460万トンのCO2削減効果があります。


しかし、抜群の省エネ効果があるにもかかわらず、電球型蛍光灯の普及がまだ進んでいない一因は、値段が高いことです。
 
1個100円程度の白熱電球に対し、電球型蛍光灯は1000円前後。


家庭でまとめ買いする場合は支払う金額の差がさらに大きくなる。
企業などでも、この点が普及の壁になっています。


電球型蛍光灯は値段が高いという指摘に対しては、同工業会の伊藤会長は
「電気代や取り換え頻度を考えると、すぐに元は取れる」と指摘します。


10倍の長寿命は白熱電球10個分の価値があり、電気代が5分の1程度のため、家計にはむしろメリットがあるのです。


また、高齢者世帯にとっては天井などの電球を取り換える負担も小さくなります。


独特のムードや暖かみがある白熱電球は、インテリアを重視する人たちに好まれていますが、地球温暖化を止めるためには消費者にも意識の改革が必要です。