株主総会の開催が今週から本格化します。
配当や買収防衛策をめぐり取締役会と対立する投資ファンドなど機関投資家が増える中、経営側は個人株主を取り込んで議案を成立させようと、総会にあの手この手の工夫を凝らし始めました。
外食大手、グルメ杵屋(東証1部)の株主総会会場には、八つの屋台が登場しました。
「よもぎそば」や「ネギトロ丼」「海ブドウ」など自社メニューを、株主942人が試食しました。
同社総務部は「毎年株主に楽しんでもらっており、『開かれた総会』が定着した」と話しました。
飲食店チェーン、コロワイド(同)は9日の総会で、株主に3000円分の食事券と生チョコレートの「お土産」をプレゼントしました。
お土産は、電子メールなどであらかじめ株主の好みを調査し、厳選。
そのかいあってか、出席者は前年より約5割も増加しました。
16日に行われた機械部品製造、THK(同)の総会の懇親会では、自動車、ゲーム機器など、自社製部品を採用している商品を展示。
住友商事は22日の総会後にクラシックコンサートを初めて開く。
昨年から土曜日に開催している大和証券グループ本社は、地方在住者に配慮し、今年は総会の模様を全国4カ所で衛星中継します。
米投資ファンドから買収を仕掛けられているブルドックソースは24日に東京都内のロイヤルパークホテルで開きます。
これまで埼玉・鳩ケ谷工場で行ってきたが、買収防衛策の承認がかかる今年は、個人投資家の出席を促すため、交通の便がよく、広い会場を確保しました。
東京証券取引所のまとめによると、全国5証券取引所の上場会社の個人株主数は06年度、延べ3928万人と、前年度より120万人も増え、11年連続で過去最高を更新しました。
金融機関や関連企業同士による株式の持ち合いが減少する中、企業経営者は、新たな「安定株主」として個人投資家に着目しています。
しかし、経営者の期待通りに個人株主が味方になる保証はありません。
2月に開かれた東京鋼鉄の臨時株主総会では、大阪製鉄の子会社化で株主の賛同を求めた取締役会の議案に、投資ファンドが反対。
個人株主の多くがファンド側に付き、議案は否決されてしまいました。
大和総研経営戦略研究所の藤島裕三主任研究員は
「個人株主はもはや『もの言わぬ株主」ではない。
株主優待や総会でのイベントで企業ファンにした後も、事業内容や業績を分かりやすく説明する努力が一層求められている」と話しています。
大事なお金で、株を買っているので、株主総会で、今回のように気を使ってもらうとうれしいですね。