世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
昼夜逆転生活のせいで、退職した元同僚が言っていた。
“夜の2時に帰っても、誰も話す相手がいない。皆、寝ているから。
感情が無くなっていくような気がする”と。
村上春樹の小説で、
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」という作品がある。
二つの物語が同時進行されており、最後に一つとなる変な話。
(第一の物語)
家族も、親しい友人・恋人もいない「計算士」という技術者である主人公は、
世間との交渉事から外れてしまっている孤独な男。
ひょんなことから、ある大事件へ巻き込まれ、
永遠の旅「世界の終わり」(いわば死)へ旅立つという話。
(第二の物語)
完全に架空の物語。
主人公は、「街」に入るために、自分の「影」を切り離すところから、話が始まる。
男は、図書館で「夢読み」という仕事に従事する。
その世界の住人は、生まれたときに「影」を切り離し、
「影」の死により永遠に心を失うというシステムが成り立っている。
すべてのものは、何かを模したものであり、本物は存在せず、
心を持った人間はすべて保証された街から、森へ追放されてしまう。
中盤、主人公の男は、「図書館の女の子」に惹かれるが、
その女の子に「心」はない。
主人公は「図書館の女の子」の心を
手風琴という楽器を弾くことにより、見つけ出しす。
そして、最後に「影」(いわば主人公の心)を外の世界に逃し、
「図書館の女の子」と一緒に森へ追放されることを決心するまでが書かれている。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/Kaede02/sakuhin2/sekai_hard.html
現実から目を背け、
自分の頭で考えることを放棄し、
他人を犠牲にする。
そんな世界の話。