オイルというバイクにとっての血液を
吹きながら
真夜中のハイウェイを最小限の速度で
走り続け名医の住む丘に辿り着いた時には
すっかり夜が明けていた。
名医の元には
いつも
多くの鉄馬が集まっていて
この日も所狭しとヴィンテージな鉄馬がずらりと並んでいた。
60年代、70年代の鉄馬達は
俺が連れて来た鉄馬を見て
「おい!みんな!80年代のケツの青い若造が来たぜ!」
「おめえピッカピカだな!電球でも切れたのか?ハッハッハ!」
って言っているようだった。
連れて来た鉄馬は1984年生まれ
バイクという乗り物としては
とっくに引退していてもおかしくない年式だけど
この丘では84年生まれなんてまだまだ若造というわけだ。
チラッとその若造を見た
名医は
「ずいぶん出てるな・・・しばらく預からせてもらうよ」
と
俺は鍵を預けた・・・
つづく