中小企業の数は1986年をピークに減少
経営環境の厳しさもあるが
後継者のなり手がなく
廃業する会社も多い
 
福岡県大牟田市 有明海に面した人口12万人を抱えるのどかな町
かつて 三池炭鉱を抱える日本最大の炭鉱町だったが
今や地元にめぼしい産業は育っていない
 
2007年
太陽電池メーカー
MSK福岡工場
が中国企業に買収された
 
中国では手作業で太陽電池パネルを作っている
日本では機械を使う作業
 
中国企業のサンテックでは
コストをかけず大量生産できる体制を整えていた
 
その為
大牟田の工場は買収後
半年たらずで合理化の対象になった
 
2007年9月 大牟田工場
1月まで約100人が勤務していた
生産停止が決まると
派遣社員は即刻解雇
 
しかし工場内には人が…
処分されるのを待つ機械をメンテナンスしている
 
閉鎖された事務所の一室では
工場を辞めたかつての同僚と連絡を取っている人もいた
 
残っていたのは35人
彼らは工場の再開を信じ
自主的に働き続けていた
 
工場長
田島 教弘さん 当時60歳
工場を再開させる策をひそかに練っていた
 
その策とは
エンプロイー・バイアウト=EBO
(従業員による事業の買収)
日本では成功例の少ない手法
田島社長
太陽電池をこれからも作りたいという気持ち
せっかくやるのだったら 所得が向上するように
みんなで頑張ろう
そういう目的を持って
バイアウト(買収)に取り組もう
 
従業員が工場を買収するといっても
巨額の資金は準備できない
買収資金を出してくれるスポンサーが必要
 
 
 
福岡県中央区に
大牟田の会社に目をつけている会社があった
 
ドーガン・アドバイザーズ
2006年誕生の投資会社九州地域に限定してM&Aや事業再生を手掛ける
 
社員の大半は九州出身の元金融マン
 
彼らを率いるのが
社長 森 大介さん 当時40歳
91年 旧日本長期信用銀行に入行
その後 シティバンクに転職
九州地域で富裕層を担当
独立のきっかけは
九州の実業家達と付き合ううちに
さまざまな経営の相談を受けるようになったから
 
ドーガン・アドバイザーズの計画
 
10億円越えの出資金を準備し
中国側から工場を買い取る
さらに
大手商社 丸紅にも支援を打診
 
ドーガン・アドバイザーズ社員
太陽電池市場は年率40%以上の上昇が見込まれている
非常に有望な市場として
世界的にも注目を集めている
導き出した数字は
5年後に売上高260億円
太陽電池の普及が進むヨーロッパ市場が狙い
 
森社長
これが絵に書いたモチなのか
もっと上を目指してやるんだけど
やっぱり不安はある
数日後 森社長は工場を訪れる
いつものように 生産ラインの点検が行われていた
 
1時間後 何も言わず工場を後にした森社長
 
森社長
一号案件として 社会的に意義がないと
やる意味がない
単なる経済合理性だけで
金儲けだけのファンドなら東京にだってある
大牟田の工場を支援しようビックリマーク
僕らがいなかったらどうなるのか
多分倉庫になる
人は要らないし勉強してきた人たちの技術が生かされない
…②へ続くドキドキ
 

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