ウルトラマン
損のおしつけ方 その1
こんにちは、黒沼正義です。
今日は「なぜ、先物取引を利用して、損をおしつけることができるのか」についてお話します。
値上がりして損をする人、値下がりで損をする人と2つの立場がありますが、今日は値上がりして困る人の損の押し付け方です。
和菓子屋を経営していると想像してください。目玉商品はアンコたっぷりの大福です。
アイスランドの火山が噴火したニュースを知って、不安になりました。
「小豆が凶作になり、大暴騰するのではないか」と思ったからです。
1783年にアイスランドのラキ火山が噴火したとき、日本でも浅間山が噴火し、ラキ山と浅間山の火山灰により冷夏が引き起こされ、日本史上最大の飢饉「天明の大飢饉」が起きました。
今回も同じことが起こるのでは?
このご時勢、小豆が大暴騰したからと言って簡単に小売価格を引き上げることはできません。
消費者なら小豆が高いなら小豆を食べないということができますが、大福を売っているあなたが小豆が高いから大福を売らないわけにはいきません。目玉商品なんですから。
困りましたね。
そこで、先物取引を使います。
先物取引とは、数ヶ月先のモノ(商品)の価格を現時点で取引して決める取引です。大暴騰する前に先物取引を使って、小豆の仕入値を確定するのです。
これではよくわかりませんね。
では、小豆の先物取引を例に説明しましょう。
東京穀物取引所では、小豆の先物取引をしています。
これは、2010年4月20日に東京穀物取引所で取引された小豆先物取引の終値です。
4月限 12290円
5月限 12320円
6月限 12330円
7月限 12330円
8月限 12350円
9月限 12350円
終値とは、一日の取引が終わったときの値段です。
この値段は30キロ(1袋)相当の小豆の値段です。
実際に取引する小豆は1口あたり2400キロ(30袋)です。
「5月限 12320円」とは5月にリアルに売買する小豆(30キロ)の取引価格が12320円という意味です。
「9月限 12350円」とは9月にリアルに売買する小豆(30キロ)の取引価格が12350円という意味です。
小豆の収穫期にあたる9月限の小豆を1口、12350円で買ったとしましょう。
これであなたは9月になったときに、30キロあたり12350円の小豆を2400キロ買うことができます。
半年後の9月、大凶作により小豆価格が大暴騰。小豆(30キロ)が20000円になりました。
でも、あなたは先物取引で9月限の小豆を1口12350円で買っていますから、12350円で小豆を手に入れることができます。
あなたは大暴騰の被害を避けることができました。めでたし、めでたし。
あなたはめでたし。
では、だれが被害をこうむったのでしょうか?
あなたに小豆の9月限を12350円で売った「誰か」です。
あなたが先物取引で小豆を買ったということは、誰かが先物取引で小豆を売っています。大暴騰の被害をあなたに代わって被ってくれたのです。
次回は「値下がりで損をする人の損のおしつけ方」です。
それではまた。