マサル(記)です。
津山事件を思い出した。
津山事件というのは、横溝正史作の長編推理小説 八つ墓村のモチーフとなった、現岡山県津山市加茂町の集落で起きた大量殺人事件。
日中戦争時、結核となって徴兵検査を受けて不合格となった犯人がそれまで関係を持った女性たちに袖にそれたことに不満を持って、猟銃や日本刀などで武装し深夜未明に集落の人々を遅い、30人を殺めたという日本犯罪史でも類を見ない残忍な事件だ。
先に書いたとおり、犯行動機は集落に対する恨みだ。
徴兵検査に不合格になることは不名誉なこともあるが、その理由が結核だったというのが大きい。
当時の結核は不治の病で感染するものとして知られていたため、人々が犯人を避けるように。
加えて、当時は男女の睦言などはあっさりしたもので、所謂夜這いなんてのは普通。
犯人も集落の複数の女性と関係を持っていたが、不合格&結核で相手にされなくなったのだ。
昭和初期とはいえ、今と比べて当時の世間というものは極端に狭く、また濃い。
民俗学的に言うところの「ムラ」の中での孤立は社会的に死に近い。
ふつふつと湧き上がる「ムラ」への怒り、恨みはついに大量殺戮という結果を生み出した。
と、
今回の事件だ。
1人の犯人による19人という大量の被害者。
この事件も、心的原因は津山に近いのではないか、と自分は思う。
犯人は事件現場となった障害者施設で働いて今年で4年目だった。
多少問題[1]はあったようだが、それでも施設で働き続けるスタッフの1人だった様子。
だった、というのは今年の1月まで。
友人などに障害者への殺意をほのめかし始め、施設のスタッフにもそれを言い出してクビに。
2/14には障害者に安楽死を求める内容の意見書を衆院議長へ出すなど異常行動が出てくる。
そのため、2/19には殺人を犯す可能性があるとして、精神科の医療施設に強制入院。
今年初めあたりから障害者に恨みを持つ何か起こったのではないか、という話もある。
と、
この手の話になってくると、「ヘイトクライムだ!差別だ!」みたいなことを言い出すやつがいるだろう。
ただ、先の津山の事件の犯行動機を思い出して欲しい。
これは怨恨だろう。
さらに、精神疾患による固執的な殺意。
対象は「世間の障害者」ではなく、元職場の障害者たち。
もし、ヘイトクライムならばわざわざ元職場の、しかも大勢の人間相手じゃなくてもいいはずだ。
こういう書き方は多少問題があるだろうが、単独や承認数で行動している障害者をターゲットにするほうがよっぽど理性的だ。
加えて、犯人は大麻使用の痕跡があったとの報道もあり、精神喪失となっていた、という可能性もある。
が、このあたりはちょっと犯人の計算がありそうだ。
未明に襲撃をしたこと、意思疎通の難しい重度の障害者をターゲットとしたこと、現場スタッフを結束バンドで動きを封じるなど、犯行自体は計画性がある。
出頭というのも引っかかる。
徐々に詳しい話が分かってくるだろうが、なんとも言えない事件だ。
[1] 大きなタトゥーがバレたりとか、暴力をふるったりしたことが数度あったようだ。