以下、私が実生活で体験した奇妙な体験を打ち明ける。
いままで他人に話したことはないし、
ネットで文章にしたこともないことだ。
あれは2005年11月のことだった。
その頃、
私は多くの一般家庭を回るような職業に就いていた。
そんな日常の中で、
ある家庭に上がり込んで体の弱い老人と世間話をしていた最中、
その老人の娘さんが顔面蒼白で台所から私の前に現れた。
何か幽霊かお化けでも見たかのような、
尋常でない表情だった。
その、老人の娘さんは真っ青な顔のままで、
私に向かってこういうのだ。
「たった今、霊界の使者が来て私に大変なことを教えました。
一番近くにいるほかの誰かにすぐに伝えなさい、といわれました」
「霊界の使者に教えられたことをあなたに話します。
ものすごく大事なことなので、
これから私のいうことを紙にメモを残して下さい」
私は驚いた。
実生活で面と向かって誰かにこんなことをいわれたら、
おそらく驚かない人はいないのではないだろうか。
私は、
とりあえずこの人のいうことに逆らってはいけないと思い、
否定的なことはいわず、失笑もせず、
落ち着いて冷静に、何食わぬ顔で対応することにした。
「霊界の使者ですか、そうですか、
一体どんなことを教えられたんですか?」
「わかりました、それほど重要なことであれば、
紙にメモって忘れないように大切にしまっておきます」
「よろしいですよ、ぜひおっしゃって下さい」
私はこういう状況の立ち居振る舞いに関して、
どちらかといえば慣れている方だと自負している。
壁から人が出てきた、窓の外で誰かが空を歩いている、
子供が枕元でクスクス笑ってる、狐と狸が足元でケンカした、
大きな顔が天井に見えた、怒り声が耳に響く、
死神がせっかく来てくれたのに帰ってしまった・・・
これらの様々な訴えを、
私はこの15年くらい腐るくらい聞いてきた。
正直うんざりだ。もう飽きた。
対応の仕方はいつも決まっている。
とりあえずは相手のいうことに逆らわない、
落ち着いてうなずきながら共感的な態度を示す、
相手が話したがっていることは十分に吐き出させてやる・・・
メモを取れといわれたのはさすがに初めてだった。
オイオイオイオイ、というのがその時の私の本音だったが、
顔色には出してはいなかったはずだ。
とにかく話を聞いていわれる通りにメモをして、
そうしたら早急にこの家を脱出するつもりでいた。
体の弱い老人は、娘さんの私への態度に、
やや困惑しているように感じられた。
おそらく、
このようなことは初めてではなかったのかもしれない。
娘さんは青い顔のままで、
霊界の使者とやらからの伝達事項を私に明かした。
「来年の6月12日、日本の沈没が始まる。
日本の大都市はほとんどが大地震で壊滅する」
強引にメモらされた私は、
一字一句ほぼ間違いなく今でも覚えている。
来年の6月12日。
この時が2005年の11月だったので、
つまりは2006年6月12日ということだ。