人生はジョーク? 世界の名画の素晴らしさって本当は、、、 | 西方見聞録(旧パリレポート)

西方見聞録(旧パリレポート)

2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

ここまでフィレンツェ記を
3回書いてきましたが
今回が最後です。

人類の歴史において
フィレンツェは非常に大事な街ですが、

また同時にこの街は
人類の歴史において重要な人物(家)も
輩出しています。

メディチ家、ミケランジェロなど
たくさん挙げられますが、

中でも個人的に大事だと思うのが
やっぱりレオナルド・ダ・ヴィンチ
この方です

このダヴィンチは
ヨーロッパ人の視点では
“人類史上最も多才な人物の一人”
とも言われています。

————————————
そんな彼のことを
もっと知るために向かったのは
《レオナルド・ダ・ヴィンチ活動美術館》
〈Museum Activities Leonardo Da Vinci〉。小さな美術館です

こちらの美術館は
ちょっと変わっていて、

ダヴィンチの作品を展示しているのではなく
彼が描いたもの、

特に、彼が残した手稿(手書き原稿)にある
“発明品” を実際に再現したものを
展示しています。

——————————————-
“レオナルド・ダ・ヴィンチ” と聞いて
皆さんはどんなイメージを描くでしょうか?

一般的には《モナリザ》の作者として
有名かもしれません。

もしくは映画『ダヴィンチ・コード』
を思い浮かべる方もいるかも。

こちらの美術館では
ダヴィンチがどんな人物だったか
をまず入口で説明しています。

————————————-
その説明によると
ダヴィンチは、

絵画、彫刻、建築、科学、数学、工学、
地学、解剖学、音楽、軍事など

幅開い分野で才能を発揮。

フィレンツェのあるトスカーナ州
ヴィンチ村で生まれ、
(1452年、日本の戦国時代)

14歳頃フィレンツェへ。
メディチ家の庇護を受けるなどしながら
名画を描き、

その後ミラノ、ヴェネツィア、
ヴァチカンなどを転々とし、

フランスがイタリア戦争で勝利すると、
敵国フランスに渡り
フランス王の庇護の元で暮らすように。

最期はその敵国で死去。
という人生です。
イタリアを転々とする人生です

—————————————-
では美術館の中を進んで
ダヴィンチの手稿をベースにした
発明品を見ていきます。
こちらがその手稿の一部です

ダヴィンチがこの手稿にデッサンした
アイデア、設計図は

例えば
・飛行機
・ヘリコプター
・装甲車
・パラシュート
・コンタクトレンズ
・自転車
・自動車
・ベアリング
・橋の構造
・ポンプシステム
・大砲
・マシンガン

など。
まだまだ、これは一部です。

ダヴィンチが残した発明品のデッサンは
下のような感じです。
こんな感じ

このようなデッサンを
リアルに作ったのがこの美術館の展示。

では早速展示物を見ていきます。
手稿のアイデア、設計を現実にした模型たちを展示

例えば、有名なヘリコプター。
これがグルグル回って空を飛ぶ、と言うもの

ネジの原理(スクリュー)で
周囲の空気を捉え、上昇していく
というもの。

んー、正直これでは
飛ばないと思いますが、、、

しかし、この原理は
後にヘリコプターに応用された、
と言います。

下はパラシュート。
なるほど、、、

これでは、真っ逆さまだと思いますが、
これが15世紀に考えられた、
というのは凄い(のでしょう)。

下はマシンガン。
連射システムです

ここまで見てお気付きかと
思いますが、

ダヴィンチの手稿は
あくまでアイデアであって、
現実に作られて使われた、
というものはほとんどありません。

なーんだ、
ただの妄想屋かぶー

と思う方もいらっしゃるかも
ですが、

彼がアイデアを書いたのは
16世紀。その時代に
そのようなことを想像するだけでも
凄い事なのかもしれません。
水中に長時間潜れる《潜水服》

ダヴィンチが考えたロボット人間

 上のものたちは
ちょっとトンデモ系ですが、

中にはその設計に近い形で
現在使われているものも
あります。

例えば、《自転車》。
これは結構リアルです。ただ、ダヴィンチの前にアイデアがあったかは不明

《ベアリング》
転がり軸受ベアリング

ベアリング自体は
エジプト時代からあるものですが、

現在と同じ、ボールを軸に
転がるベアリングはダヴィンチが
初めて描いた、とされています。

ベアリングはタイヤ、モーターなど
回転する製品の軸となるもの。

転がりベアリングがなければ
今の近代文明はなかったかもしれません。

《スクリューポンプ》
水を汲み上げるポンプです

《スクリューポンプ》は
螺旋状のパイプを回転させることで
低いところにある水を
高いところに汲み上げるもの。

これは、ギリシャ時代の物理学者
アルキメデスによって考案されましたが、

アルキメデスを研究していた
ダヴィンチが水車による回転力を
使って水を汲み上げるシステムを
考案したものです。

現在でもスクリューポンプは
水の汲み上げに欠かせないシステムと
なっています。

—————————————-
などなど、
書き出すとキリがないので
この辺りにしておきます。

最後にフィレンツェ市内で
めちゃめちゃ売られていた
《モナリザ》のパロディーTシャツ。
ダヴィンチの名画『モナリザ』のパロディーTシャツ

これに書かれていたメッセージが
「Life is a joke」
(人生はジョークだ)

何か、かなり深いメッセージのような気が、、、

(宗教とか、絵画の価値とか
全部誰かによって作られた価値観だ、と)

『モナリザ』凄い!!
『受胎告知』凄い!!
『ダビデ像』凄い!!

って、そう言ってる人は
その作品が ”凄い” と言われているから
“凄い” と思っているのでは?

そもそも、その”凄い”自体が
“Joke” だとしたら。

世の中の価値観自体が
“Joke” だとしたら。

『モナリザ』はある意味、
近代文明の始まりの象徴。。

考えすぎでしょうか。。。
最後にもう一つ。フィレンツェの街に描かれていた落書き。メディチ家がフリーメイソンに街を売り渡す様が描かれています