物乞い、今日はオフで受け取らず | 西方見聞録(旧パリレポート)

西方見聞録(旧パリレポート)

2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

パリには
街の至る所に、
それこそ通りの数百メートルごとに
物乞いがいますが、

彼らには
いろいろなタイプ存在します。

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まずはロマ族。
ロマとはいわゆるジプシーで
スリと物乞いなどを生業にして
生きている人々です。

彼らは赤ん坊の頃から
物乞いの道具として使われ、
物心付くと他のロマと共に
物乞いを始め、

中にはスリになっていく者も
いるわけです。

物乞いのほとんどは
ロマ族です。

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そしてもう一つは
ロマ以外の人々。

この人たちは
結構様々なタイプがいますが、

なぜかアラブ人や
アフリカ系の方々は
そんなに見かけません。
※もちろんゼロではないですが

よく分からないので
断言はできませんが、
多分ふつうのフランス人が
多いと思います。

さらに言うと、
いわゆる白人の方々が
多いと思います。

この方々は老若男女で、
若い女性もいれば
年老いた男性もいます。

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私の友人のMは
いわゆる白人のフランス人ですが、

彼は物乞いを見かけると
わざわざ通りを渡ってまで
物乞いに近寄っていき、
お金を恵んであげます。

なぜそうするかと言うと、
彼は敬虔なクリスチャンで
恵まれない者にお金をあげるのは
キリスト教の教えだそうです。

ただ、友人のMは
物乞いなら誰にでも恵む、
と言うわけではありません。

彼がお金をあげるのは、
白人の物乞いだけ!!

同じ物乞いでも
ロマ族には
一切恵むことはない!

と言うのです。

何で白人の物乞いにしか
あげないの?

と聞くと、
「奴らは同胞だから」
と言うのです。

そして、Mは物乞いと
よく話をします。

よくする会話内容は、
“何で物乞いをやってるんだ”
というもの。

物乞いの彼(彼女)が
なぜそんな身分に身を落としてしまったのか
について聞いているわけです。

M曰く、
「話を聞くと、奴らのほとんどが
ちょっと前までふつうの暮らしを
していた人が多いんだよ。

まさに、今の自分たちみたいに

家族があって、
仕事があって、
住む場所もあって、
将来に希望を抱いて生きていた

そうゆう人が多い。

それが、ある日
突然不幸が重なって、
あれよあれよと身を落とし、

路上生活者になってしまった。

もちろん彼らにも
問題はあったのかもしれないけど、
彼らの境遇は
自分には全く縁がない話ではない。

明日、自分にも起こり得ることなんだよ」

とのこと。

“彼らは、たまたま落ちてしまった
不幸な人たちなのだ

と言うのです。

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と、そんなMが先日、
路上生活している白人を見かけ

いつものように
お金を恵んであげようと
コインを差し出したところ、

何と!
その路上生活者から

「今日はコインを
受け取れない」

と断られたとのこと!!

え!?びっくりびっくりびっくりびっくり
何で!?ゲッソリゲッソリゲッソリ

Mが「どうして?」と理由を聞くと
その路上生活者曰く、

“今日はオフだから”

えーーー!!!!ガーンガーンガーンガーンガーンガーン

オ、オフって、、、ポーンポーンポーン


それを聞いてMは
「いやー、今日は休みだからって
断られちゃったよ」
と笑ってましたが、、、

私のような人間の感覚では、
“物乞いに休みってあるのかよ!”
と思ってしまいますが、

何でしょうその物乞い、
仕事として物乞いをやってる意識が
強いのでしょうか、、、

プライド高けーーー!!おーっ!おーっ!


世の中にはほんと
いろんな人がいるものです(>_<)!