💈理髪店のクルクルから目が離せない1歳のボク💈 ~サインポール~
歩道のずっと向こうのほうに、
座り込んでいる女の人の姿が見えます。
歩道の隅、建物の壁際に、しゃがみこんでいる様子です。
どうしたのかなぁ、
と思いながら、近くまで行って、
思わず、笑顔になりました。
女の人は、お母さんです。
座り込んでいるところの少し奥に、理髪店の入り口があり、
そこには、あの赤と白と青の縞模様がクルクル回っていて、
1歳ぐらいのボクが、
それに手を添えたまま、ジ~っと見入っているのです。
**********
理髪店の店頭にある、あのクルクル回っているものは、
日本では、サインポール、というのだそうで、
この3色は世界共通だそうです。
クルクル回っているのは、営業しているというサインになるようです。
その起源は定かではないそうですが、
理髪師が外科医も兼ねていた昔のヨーロッパにすでに存在していて、
赤は血液、白は包帯を表わしていた、という説があります。
**********
お母さんとの関係性は、子供の成長に一番大きく影響するようです。
そのため、
維摩会 春秋館では、母子関係に触れることが多々あります。
このようなお母さんに育てられたら、
子どもはいろいろなことに興味をもって、伸び伸びと育つように思いました。
ボクは、まるでサインポールと一体化してしまったかのように、
じっと動きません。
それを見守るお母さんも、じっと座ったままです。
きっと、ボクの気が済むまで、お母さんは待ってくれることでしょう。
~赤と白と青の縞模様だけが上に流れていき、
そのまわりは止まっているような、ある種不思議な時空間でもありました。
私はじっと見ているわけにはいきません。
そのそばを通り過ごして、しばらく歩き、
角を曲がるところで、振り返ってみました。
お母さんは、まだ同じ姿勢でしゃがみこんでいます。
ボクはいつになったらクルクルから目を離すのかなぁ、と、
ちょっと、心配に思ったりもしたのでした。
