髪の毛は 白くても黒くても 噂は広まる ~スティーブ・ジョブズと同じ?~
>まずは、
この白い髪の毛の説明をしたほうがよさそうに思います。
と話しを始めたのは、
急遽、部長の仕事を務めることになった、部長補佐だった男性です。
その挨拶の席上での、最初の言葉でした。
少し前、まだ若いにもかかわらず、部長補佐に抜てきされた同僚ですが、
今どきの若者? と見間違えるぐらい、
脱色の白と明るい茶色の髪の毛、のようになっています。
先日、バッタリ会ったときに、
若い時から真っ白だったとお聞きしていたのですが、
そのことを知っている人はほとんどいなく、
皆が、若者風の髪の毛にしている、とひそかに思っていたようです。
本人にも、その噂が届いていたのでしょう、
そう話し始めました。
そして、
若い頃から白かったのを染めていたけれど、
スティーブ・ジョブズの黒タートルネックと同じにしました、
と、新部長は説明したのでした。
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改めて説明するまでもなく、
スティーブ・ジョブズ氏は、黒いタートルネックを制服のようにしていましたが、
ネット情報によれば、
「余計な選択肢で頭を使わないため」なのだそうです。
どんな洋服を着ようか、ということに、頭を使わなくて済むように、
いつも同じ服装にしていた、ということです。
「いつも」がどの範囲のことなのか、確認しきれていませんが、
合理的と言えば合理的、
一方で、礼儀知らずと言えば礼儀知らず、にもなりかねないことですが、
これだけの有名人であれば、それも許されるのだろうと思いました。
一般の私たちには、TPOに応じた服装が、望まれるはずです。
維摩会 春秋館で勉強する儒教の教えの、五常八徳には、
礼、と言うことが含まれますが、
これは、一つの社会秩序なのです。
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新部長が、余計な選択肢で頭を使わないように、
ということを言ったのかどうか、定かではありませんが、
どうも私たちの感覚では、
時間がないのだろう、
としか思えないのです。
時間がないと言うよりも、
スティーブ・ジョブズにあやかって、
カッコよい話に持っていくほうが、
新部長には幸先がいいのだろうねぇ、と
また皆の間に、あれこれ噂が広がるのでした。