🧺 お菓子の移動販売に遭遇 🧺 ~風の時代のお菓子売り~
向こうから、カートを押したお姉さんが歩いてきます。
カートは、先日赤ちゃん軍団が乗っていたバスタブぐらいの大きさのもの、
今日は赤ちゃんではなさそうだなぁ、と思ったところ、
お姉さんが、にこにこと笑いかけてきました。
何も考えることなく、私は、
こんにちは、と言って、すれ違おうとしたところ、
お姉さんは、数歩手前で立ち止まり、
首から下げていた身分証明を手に取って、私に見せようとしながら、
お菓子の移動販売をしています・・・と話し始めました。
残念ながら、
私は約束の待ち合わせ時間に間に合うように急いでいたところです。
そう伝えると、
あら、ごめんなさい、とあっさりすれ違っていきました。
すれ違う時、ちらっと、カートの中が見えました。
水色と黄色の四角い箱が、カートに半分ぐらい入っていました。
箱には、バウムクーヘンのような絵が描かれていて、
商品のお菓子の箱のようです。
夕方の時間帯、これからお菓子販売なのか、一日の仕事終わりなのか、
いずれにしても、
首の身分証明なんて、いくらでも作れるし・・・、
道端で、そんなに品定めもできないし・・・、
と懐疑的な私ですが、
新しい風の時代、と
維摩会 春秋館でお聞きするのは、
こういうことなのかしら、と思ったのでした。
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近くのコンビニの一角に、
人二人ほどがやっと立てるくらいの狭い空間の、
チーズケーキ屋さんがオープンしました。
窓が開いているだけで、その窓越しに、中の人がケーキを売っているのです。
オープンの時、窓の下には、胡蝶蘭の鉢などが並び、
わりと華々しくお店が始まったのでした。
それから1週間ほど、朝から夕方まで窓が開いているようでしたが、
たまたまかもしれませんが、
窓のところにお客さんが立っているのを見たことがありませんでした。
夜遅くの帰宅の時、窓のそばに貼ってあるお店紹介を見てみましたが、
1種類のチーズケーキのみの販売のようで、
定休日も営業時間も書いてありません。
お店の名前は、おそらく、俺の×××チーズケーキ。
大丈夫なのかしら、と思ったところ、
それから窓が閉まったままになりました。
一週間ほどでやめるわけはないだろうし、
きちんとオープンしていれば、そのうちお客さんもつくだろうに、
などと思っていました。
しばらくして、窓がまた開きだし、
しかし、閉まっていることも多く、
そして、やっと先日、
お客さんが窓のところでケーキの箱をもらっている姿を見かけることができました。
それからも、窓は開いていたり、しまっていたり。
片手間に経営しているお店なのかもしれませんが、
それでも、このお店はまだまだ赤字だろうなぁ、とちょっと心配になります。
これも、新しい風の時代の仕事の仕方なのかしら、
と思っているところなのでした。