赤字が続いていたら 来年も申告をしたらいいですよ ~若者の投資熱~
赤字が続いていたら、来年も申告をしたらいいですよ。
隣のブースから、そんな声が聞こえました。
確定申告の会場です。
最近は自宅でパソコンやスマホから申告する人が増えているようですが、
私は会場に行って、係員の人に見てもらっています。
入力は自分で・・・、なのですが、
どこに何を入力するのか、一言アドバイスがあると、大変に助かるのです。
その会場でスマホと悪戦苦闘している私のブースの隣には、
まだ20代らしい男の人がいました。
係員はひとりで数人を担当してくれているので、
分からないことがあっても、すぐには質問できないことがあります。
隣の声が耳に届いたのは、そんなときでした。
隣のお兄さんは、
手に持ったたくさんの書類をじっと眺めたり、
カバンの中をゴソゴソしたり、
なかなか大変そうな様子でしたが、やっと出来上がったようで
広げた書類をカバンにしまい込みました。
係員が必要書類をクリアケースに入れながら、
そんなお兄さんに向けて言った言葉だったのです。
このお兄さん、もしかしたら、何かに投資しているのかもしれないなぁ、と
勝手な想像をしたのでした。
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今年は、「若者の投資熱が盛り上がるでしょう」
という言葉を思い出しました。
維摩会 春秋館の出版物にある文章です。
投資というのは、
「利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下すること」です。(『大辞泉』)
金融庁のサイトには、
「投資とは利益を見込んでお金を出すことで、
株式や投資信託などの購入がこの投資に当たります。」とありました。
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隣のお兄さんのブースには、次に、おばあちゃんがやって来ました。
最初のQRコードを読み取るところから、難しそうな気配です。
それでも、係員の手が空くまで、黙ってじっと待っておられます。
この会場にやって来るのは、申告を手伝ってもらいたい人ばかりなのですが、
実際には、スマホの操作がわからない人から、
申告内容がわからない人まで、様々です。
そもそもスマホやパソコンに慣れていない人、特にご年輩の人には、
もう少しお手伝いをしてあげられるようなシステムになってほしいなぁ、
と思ったのでした。
私はと言えば、スマホの小さな文字で目も頭もいたくなりながら、
やっと、入力を終えることができました。
投資がらみの申告、とは程遠く、
歯科の医療費控除のためだったのでした。