気が利くおばさん と 小うるさいおばさん は同じ人  ~世代の違いを超えて~ | 今日の恵み  維摩会 春秋館の恵み

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 🌓🌛気が利くおばさん と 小うるさいおばさん は同じ人🌜🌗              ~世代の違いを超えて~

 

 

職場のビルには、お掃除の業者が入っているので、

フロアのモップ掃除から、ゴミ箱をきれいにすることまで、お任せできます。

業務の時間帯がほとんど同じ、ということもあり、

この業者に長年お勤めで、年が同じくらいの女の人たちとは、仲良しになっています。

今朝、久しぶりに、廊下で会いました。

 

最近、お掃除後のお部屋の様子、大丈夫ですか?

と、小さな声で、尋ねられました。

う~ん・・・。

 

実は、お掃除の人が変わったな、とずっと思っていたのです。

今まで、お掃除の後は、

椅子もゴミ箱も、まっすぐにきっちりと収められていたのですが、

最近は、そうではありません。

お掃除はしてあるのですが、元の場所に戻っていないことがあるのです。

そのことを、伝えました。

すると、

 

そうなんですよ、私たちおばちゃん組は、もうお部屋掃除のシフトから外されたんです。

それはいいんですけど、

仕事の引き継ぎが、うまくいかなくって・・・。

 

とのこと。

良かれと思って言うことが、

怒られた、パワハラ、となってしまうのだそうです。

 

マニュアル通り、ならまだしも、マニュアルもきちんとできていない感じがしてね。

でも、私たちもあまり言わないようになってきたんです。

もう世代交代ですからね。

 

と、ちょっと寂しそうな、腹立たしいような、情けないような、

複雑な面持ちで、仕事に戻っていきました。

 

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ハラスメントやパワハラ、という項目は、

手元の2006年発行の国語辞典にありませんが、

ネット上には、当然ながら、たくさんの情報があります。

 

例えば、職場でのパワハラとは、

①優越的な関係を背景とした言動

②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

③労働者の就業環境が害されるもの

これら①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます、とあります。

 

明確なようですが、これが現場におりてくると、

その判断や解釈に、かなりバラツキがみられるようになります。

 

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職場では、受け手の側がハラスメントと感じたら、ハラスメントになる、

とまで言われることもあり、

結局、黙っておこう、という雰囲気さえ出てくることがあります。

これでは、良くなることも、なかなか良くなりません。

 

面倒なことになるのは、本当に面倒なのですが、

若い人に気に入られるように振舞うのは、行き過ぎです。

維摩会 春秋館でもそのように教えていただき、

儒教でも、長幼の序が説かれるのです。

取り入るのでもなく、もちろんイジメるのでもなく、 

正しいことを、きちんと教えられるように、

そしてこれは同時に、改善すべきところは改善し、間違いは訂正できることも含まれていて、

そのようにして、ベテランから新米へと、

世代を超えて大切なところが引き継がれていくのだろう、と思います。

 

お掃除のおばちゃん組は、

気が利くおばちゃんであって、決して、小うるさいおばちゃんではないと、

仕事ぶりを見ていると思えます。

小うるさいおばちゃんと、若い人に思われても仕方がないと割り切って、

きちんと伝えていけるようになるといいなぁ、と思ったのでした。