まだまだ続く 黒くて小さいもの  ~三度目の正直~ | 今日の恵み  維摩会 春秋館の恵み

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     🌹 まだまだ続く 黒くて小さいもの 🌹                       ~三度目の正直~

 

 

今朝、家の玄関を出ようとしたところ、

三和土(たたき)の隅に、黒くて小さいものが落ちていました。

玄関の棚にドライフラワーが置いてあって、

バラの小さなツボミなどが、時々落ちていることがあります。

あら、またバラのツボミが・・・、と思ったのですが、

いや待て待て、

昨日は、干しブドウをカメムシと間違えた、

ということは、カメムシを干しブドウと間違えることもあるかも・・・。

よく見てみると、

 

アッ、カメムシ!

 

じっとして動きません。

もう死んでいるようです。

紙ですくって、外にさよならしました。

 

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職場でのお昼時、

同僚に誘われて、食堂に行きました。

テーブルをはさんで、同僚と話をしていたところ、

同僚が、

ねえ、向こうの女の人の背中に、何かついてない? と。

 

振り向いて見てみると、

白いセーターの背中に、黒くて小さいものがついています。

 

アッ、カメムシ!

 

今度こそ、カメムシです。

ジワジワと上に移動していきます。

女の人に声をかけて、外に逃がしました。

 

干しブドウをカメムシと間違え、

カメムシをバラのツボミと間違え、

そして、

やっと三度目、カメムシはカメムシでした。

 

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立て続けの経験で、ビックリ度合いは低くなってきましたが、

この同じような経験は何を意味しているのか、

単に落ち着いて対処しましょう、というだけではないようにも思えてきます。

執着の強さを思いました。

 

輪廻、ということを説く教えはいくつかあります。

維摩会 春秋館で学ぶ仏教もその一つです。

輪廻とは、

「仏語。回転する車輪が何度でも同じ場所に戻るように、

衆生が三界六道の迷いの世界に生死を繰り返すこと。」

「同じことを繰り返すこと」とあります。(『日本国語大辞典』)

 

なぜ繰り返すのか、というと、

仏教的には、悟りを得ていないから、ということになります。

真理がわかっていないから、

ずっと迷いの世界に転生し、そこで同じことを繰り返す、と説かれるのです。

今ここで生きていると思っている世界は、迷いの世界である、と説かれるのです。

なにか、執着の塊みたいなものに感じられてきます。

 

とはいえ、私にはこの迷いの世界しかわかりません。

この世を迷いの世界と知って、そこでどう生きていくのか、

それを示唆してくれるのが、

仏教で説かれる実践的な部分なのだろうと思います。

 

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それにしても、今年はカメムシが本当に多いです。

冬は雪が多い、という言い伝えが本当にならないといいなぁ、

と、この世に生きる私は思ったのでした。