▯ パーテーションと 衝立と ▯ ~名前の違い・物の違い~
先日、職場で行なわれた研修会、
広い会場の一部をパーテーションで区切って、
準備室の代わりに使いました。
途中で、いくつかのグループに分かれて話し合いとなった時には、
それぞれのグループをパーテーションで区切って、小部屋にしました。
集中度合いが高まります。
パーテーションとは、空間を仕切るためのもので、衝立(ついたて)のことです。
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建て替える前の実家は、昔からの日本家屋でした。
部屋は、畳の座敷ばかりで、襖や障子で区切られていました。
夏場は、襖や障子は取り払われ、衝立を使っていたのでした。
その衝立は、今でいうパーテーションです。
夏場に使っていた衝立は、竹や籐(とう)というツルで編んだもので、
向こう側が透けて見えるようなものでした。
玄関の戸も夏場は開けっ放しで、
玄関と茶の間~今のリビングルーム~の間の廊下には、竹の衝立を置いていました。
夜、暗くなってから帰宅した時など、
玄関の戸は開いていて、家に入る前から、
衝立を通して、茶の間の灯りが漏れて、中の雰囲気が感じられたものでした。
夜寝る時には、道路との境目の木戸の鍵だけ閉めて、玄関も開けっ放しでした。
ご近所とのお付き合いもある普通の住宅街で、鍵がなくても大丈夫な時代、
クーラーがなくても大丈夫な時代でした。
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職場では、パーテーション、としか言いません。
キャスターのついた折りたたみ式で、スチールでできているのでしょうか。
間仕切りに使います。
コロナの時には、机やテーブルの上にアクリル板のパーテーションがありました。
医療用にも、そして、避難所などでも大活躍の実用品です。
軽い段ボール製もあります。
実家では、今でも衝立と言っています。
夏は竹や籐製ですが、涼しくなると襖のような素材のものに変わります。
完全に実用品なのですが、同時に、装飾品にもなっています。
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物とその名前は、一対一に対応しやすく、
抽象的なことがらよりは、理解しやすいものです。
維摩会 春秋館で勉強する『論語』には、正名(せいめい)という教えがあり、
後の時代の解釈のひとつに、
名前と物との一致を正名という、とする立場があります。
パーテーションは英語、衝立は日本語、で、基本的には同じものだろうと思いますが、
どうも、私には印象が異なります。
物ひとつであっても、その名前で印象が異なるのですから、
いろいろな言葉や表現を使う普通の会話になればなおさら、
その人それぞれに印象が異なって、
頭の中のイメージは、人それぞれになっているに違いありません。
同じ言葉で会話をしていても、同じ理解をしているとは限らないのは、当たり前だ、
と思ったことでした。
