盆踊りの リズム
~チョチョイのチョイ~
お盆の間、郷里の街では、盆踊りのお祭りがあります。
広場に やぐら が組まれ、提灯(ちょうちん)がはりめぐらされます。
やぐらに登るのは、太鼓をたたく人、笛と三味線を演奏する人、そして司会者。
やぐらの周りには、盆踊りを踊る人たちが輪をつくります。
小さな子供さんからご年配の方まで、皆が、踊りの輪の中に入ってきます。
浴衣を着ている人も、Tシャツの人も、みんな一緒に輪になります。
飛び入り、大歓迎!!
踊りの振り付けは、決して難しいものではありません。
スピードも、歩く速度よりもゆっくりの進み具合です。
時には、後戻りもあったり、前後の人とむかい合ったり、
皆が、盆踊りの曲に合わせて、踊ります。
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盆踊りの曲は、○○音頭、というのが多いです。
東京音頭に始まり、それぞれの地域に○○音頭があります。
ところが、そのリズム感は、
ヨイ ヨイ ヨイ、とか
チョチョイのチョイ、とか
ほとんど同じようで、すぐになじめます。
日本の伝統的なリズム感のようです。
振り付けも、同じようです。
両手を右上にあげたり、左上にあげたり、頭の上で輪にしたり、
拍手をして手拍子をとったり、と、
両手の動きが中心で、
いくつかのパターンの繰り返しです。
おおきく激しく身体を動かすことや、上下運動は、ほとんどありません。
これも日本の伝統的な動きのようです。
この伝統は、水田稲作農耕と生活様式に基づくものではないか、
との説がありました。
稲作では、前かがみになり、腰を落として、ぬかるみの田んぼの中で、田植えをする、
草刈りや稲刈りをするときも、身体の重心は低い、
主婦の仕事も、洗濯も雑巾がけも、しゃがんでやった、
そして、畳の生活・・・。
このリズムが身に付いているのではないだろうか、というのです。
もちろん、稲作ばかりではありません。
海で波に乗って漁をするリズム、山の斜面で狩猟をするリズム、それぞれに特徴があります。
それらが、日本の伝統的なものとして形作られてくるのは、いつなのでしょうか。
室町時代の後期頃に、大きなふしめがあるようなのです。
(参照:『日本民俗文化大系7 演者と観客』 「音楽における日本的性格の変質」)
日本の伝統芸能の 能(のう) も室町時代に完成しています。
このころに日本の伝統的なものが出来上がってくる様子が、見えてきます。
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日本の民謡には縁のなさそうな若い人たちも、盆踊りの輪の中にたくさんいます。
自然に盆踊りのリズムにノッテいて、とてもなじんでいます。
アフリカ系の人たちのいわゆるビート感を、維摩会 春秋館でお聞きしたことがありました。
身体を上下に動かして、全身で表現するそうです。
なにかあるとすぐにそのように反応するそうですので、身に付いているのです。
これは、盆踊りの ノリ とはまた違います。
盆踊りの振り付けが難しくなく思えるのも、日本人だからかもしれません。
身に付いているのですね。
遺伝子の中に組み込まれた感覚が、それぞれにあるのがわかります。
お盆には、浴衣を着て盆踊りに行きたいものです。
お天気に恵まれますように!!
