さすがお母さん ~魔法のカバン~
所用のため乗り込んだバスの中、赤ちゃんの声がどこからか聞こえてきました。
周りを見渡してみましたが、姿が見えません。
空耳だったのかなぁ、と思ったところ、
少し前に座っている女の方の肩越しに、小さな顔がのぞきました。
あぁ、ここにいたんだぁ、と思ったところ、
赤ちゃんは何か不機嫌な様子、
大きな声を出し始めました。
狭いバスの中、声は大きく響き渡ります。
お母さんは、即座に大きなカバンの中から小さなジュースのパックを取り出し、
ストローを赤ちゃんの口元へ。
静かになりました。
さすが、お母さんです。
少しすると、そのストローが、ポイっと、通路に投げられました。
赤ちゃんがポイしたようです。
お母さんはストローを拾い上げると、
大きなカバンの中から除菌スプレーのようなものを取り出し、
ストローに吹きかけていました。
さすが、お母さんです。
しばらくすると、また赤ちゃんがむずかりだしました。
お母さんは、
大きなカバンの中から、茶色のくまさんのようなおもちゃを取り出しました。
赤ちゃんはそれを手に取り、静かになりました。
さすが、お母さんです。
大きなカバンの中から、次に何がでてくるのか、
私は興味津々になりましたが、
残念ながら、バスを降りる停留所に着いてしまいました。
赤ちゃんとお母さんのほほえましい一コマですが、
お母さんの素晴らしさがあふれ出ていました。
維摩会 春秋館では、母親の大切さ、子育ての重要さをお聞きしています。
お母さんの役割は、なんと大きいことか、改めて感じる場面でした。