空は晴れ渡り清々しい青空の朝と昼の間に、すっかり古ぼけた車の掃除でもしようかと、
フロアマットをすべて外して見ると、見事なまでの小さなゴミ屑が隅にきれいに並んでいるのをみると、私の愛車もまだまだやるもんだと感心する様に掃除機に吸い込み先を近づけると、どこかの誰かの粒なのか私の目玉に飛び込んで随分ゴリゴリやってくれまして、白目を向けたりギョロギョロしたりしていると、見事に澄んだ目玉を赤く滲ませてくれました。
それでも、ゴミ粒はいつになっても離れてくれなくて、イラつく小さな粒共を、すべて無くしてしまおうと、ゴツゴツ音を立てて、掃除機の吸い込み口をアッチコチにぶつけていまいたが、何度ぶつけても、全ての粒は無くならず、いつものようにまたソコにマットの陰に隠れるように、静かに澱んでいきました。
もう、いい加減にしてしまおうと、お爺のように腰曲げていましたが、勢い付けて背を伸ばすと、チカチカ眩い光がみえて、辺りはすっかり曇ってて、誰かが垂らしたお醤油が、ジンワリ滲んで広がって、何度もこすってみたけれど、余計に赤みが増すばかりで、もう二度と清々しい空は現れませんでした。
日曜日の午後からは、片目の赤いウスノロが、赤く滲んだ曇り空の下で、きれいに並んだゴミ屑を、全て無くしてやろうかと、何かの灰色の棒もって、アッチコッチにぶつけていましたが、何度何度もぶつけても、全てのゴミは無くならず、いつものようにまた底に狂気のように隠れては、静かに静かに沈んでいきました。
もういい加減に、こんな赤茶けた明日など来なくていいのにと、頭を垂れた鶏みたいに、トサカを下にして、一人ソコにおりました。
よくわかりませんが、そんな日もアルのでしょう。
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